その「良いサービス」、本当に伝わっていますか?

「機能には自信がある。品質も他社に負けない。なのに、なぜかお客様に選んでもらえない」
「ウェブサイトやパンフレットを作ってはみたものの、いまいち反応が薄い気がする」

中小零細企業の経営者様や事業責任者の方々から、このようなお悩みを伺うことは少なくありません。

丹精込めて作り上げた自慢のサービスや商品。その価値を信じているからこそ、魅力が正しく伝わらない状況は、非常にもどかしく、歯がゆいものでしょう。

多くの場合、その原因はサービスそのものの品質にあるのではありません。問題は、その「価値」や「魅力」が、お客様の心に響く「言葉」や「形」に変換されていないことにあります。

この、サービスの魅力を顧客に伝わる形に翻訳するプロセスこそが、本記事のテーマである「デザインで言語化する技術」です。

もしかしたら、「デザイン」と聞くと、単に見た目を美しく整える「装飾」のようなイメージをお持ちかもしれません。しかし、本来のデザインが持つ力は、それだけではありません。

デザインとは、単なる「飾り付け」ではなく、サービスの価値を顧客に「伝わる形」に翻訳する、戦略的なコミュニケーション技術です。

事業の目的を深く理解し、顧客のニーズを掘り下げ、競合との差別化を図りながら、そのサービスだけが持つ独自の価値を、視覚的に、そして直感的に伝えられる形へと昇華させていく。

それこそが、現代のビジネスに求められるデザインの役割なのです。

本記事では、なぜサービスの魅力が伝わらないのか、その根本的な原因を紐解きながら、デザインの力を活用してサービスの魅力を「言語化」し、顧客の心を動かすための具体的な技術と考え方について、順を追って解説していきます。

この記事を読み終える頃には、「デザイン」という言葉に対する見方が変わり、ご自身の事業を成長させるための新たな視点が得られるはずです。

第一章:なぜ魅力が伝わらないのか?よくある3つの誤解

素晴らしいサービスが、なぜ顧客の元へ届かないのか。その背景には、多くの企業が陥りがちな、いくつかの共通した「誤解」が存在します。ここでは、その代表的な3つの誤解について掘り下げていきましょう。

1:「良いものを作れば売れる」という幻想

「技術には絶対の自信がある」「この品質なら、お客様はきっと分かってくれるはずだ」

作り手として、自社の製品やサービスに誇りを持つことは非常に重要です。

しかし、その想いが強すぎるあまり、「良いものを作れば、自然と顧客はついてくるはずだ」という考え方、つまり「プロダクトアウト」の発想に陥ってしまうケースが後を絶ちません。

もちろん、高品質であることは大前提です。しかし、現代の市場には、高品質で魅力的なサービスが溢れかえっています。

顧客は無数の選択肢の中から、自分にとって「最も価値のある」ものを選び取らなければなりません。

ここで重要なのは、顧客が求めているのは、必ずしも「最高品質」や「最多機能」ではないという事実です。

顧客は「何ができるか」だけでなく、「それによって自分の何がどう変わるのか」という便益(ベネフィット)を知りたいのです。

例えば、高性能な業務用ソフトウェアを販売する場合、「処理速度が従来比200%向上」という機能的価値を伝えるだけでは不十分です。

「このソフトを使えば、毎日の報告書作成時間が半分になり、残業せずに家族と夕食がとれるようになります」といった、顧客の日常や感情に寄り添ったベネフィットを提示できて初めて、その価値は「自分ごと」として認識されます。

「良いもの」という作り手側の絶対的な自信と、顧客が感じる「価値」との間には、しばしば大きな隔たりがあるのです。

2:情報過多の時代における「伝わらない」壁

私たちは今、かつてないほどの情報に囲まれて生きています。スマートフォンを開けば、ニュース、SNS、広告など、膨大な情報が絶え間なく流れ込んできます。

ある調査によれば、現代人が1日に触れる情報量は、江戸時代の人の一生分、平安時代の人なら一生分とも言われています。

このような状況下で、企業からの一方的なメッセージは、そのほとんどが顧客の目に留まることなく流されていきます。

情報過多の現代において、顧客はもはや情報の受け手ではなく、積極的な選別者になっています。

自分に関係のない情報、興味のない情報は無意識のうちにシャットアウトし、自分にとって有益だと判断した情報だけを選択的に受け取っているのです。

つまり、「伝えた」つもりでも、相手には全く「届いていない」という事態が日常的に発生しています。

ウェブサイトに詳細な情報を掲載しても、パンフレットにびっしりと説明を書き込んでも、そもそも顧客が「読みたい」と思わなければ、その努力は水泡に帰してしまいます。

この「伝わらない壁」を突破するためには、数多ある情報の中から「選んでもらう」ための工夫、すなわち、一瞬で顧客の注意を惹きつけ、興味を持たせるための戦略的なアプローチが不可欠です。

3:デザインへの誤解:「飾り付け」だと思っていませんか?

「サービスの中身が固まったら、最後にデザイナーに頼んで綺麗にしてもらおう」

このような考え方こそ、デザインの力を最大限に活かせない、最も典型的な誤解と言えるでしょう。デザインを事業プロセスの最終工程にある「見た目を整える作業」や「飾り付け」として捉えてしまうと、その本質的な価値を見失ってしまいます。

デザインの本質は、見た目を飾ることではなく、「課題解決」にあります。「顧客に魅力が伝わらない」という経営課題に対して、「どのようにすれば伝わるか?」を考え、その解決策を具体的な形として提示するのがデザイナーの役割です。

そのためには、事業の根幹にある想いやビジョンを深く理解し、ターゲットとなる顧客像を明確にし、競合他社との力関係を分析するなど、マーケティングの上流工程から関わることが極めて重要になります。

デザインは、単に色や形を決めることではありません。

顧客とのあらゆる接点(ウェブサイト、広告、名刺、店舗、製品パッケージなど)における体験全体を設計し、そこに一貫したメッセージを込めることで、企業の「らしさ」やサービスの「価値」を顧客の心に深く刻み込む、強力なブランディングツールなのです。

第二章:デザインによる「魅力の言語化」とは?

サービスの魅力が伝わらない原因は、作り手側の「伝えたいこと」と、顧客側の「知りたいこと」の間にズレが生じている点にありました。

このズレを解消し、両者をつなぐ架け橋となるのが、デザインによる「魅力の言語化」です。

「魅力の言語化」とは、提供者側の「伝えたいこと」と、顧客側の「知りたいこと」を一致させるプロセスに他なりません。

それは、自社のサービスを客観的に見つめ直し、その本質的な価値を掘り下げ、顧客の心に響く「言葉」と「形」に変換していく、地道でありながらも創造的な作業です。

1:顧客の「心の声」を聴くことから始まる

ある地方都市で、長年地域に愛されてきた工務店がありました。技術力には定評があり、施主からの評判も上々。

しかし、代替わりを機に、新規の問い合わせが伸び悩むという課題に直面していました。

二代目の若き社長は、自社の強みを「どんな要望にも応えられる高い技術力」だと信じ、ウェブサイトにもその点を強く打ち出していました。しかし、状況は一向に改善しません。

悩んだ末、彼はデザイナーに相談することにしました。デザイナーが最初に行ったのは、ウェブサイトを改修することでも、新しいパンフレットを作ることでもありませんでした。それは、過去の施主たちに、改めて話を聞くことでした。

「なぜ、うちの会社を選んでくれたのですか?」

施主たちの口から返ってきたのは、意外な言葉でした。
「技術力が高いのはもちろんだけど、何より、社長さん(先代)が私たちの話を本当に親身になって聞いてくれたから」
「素人の私たちにも分かるように、専門用語を使わずに丁寧に説明してくれて、不安な気持ちに寄り添ってくれたのが決め手でした」
「家づくりという一大イベントを、この人となら安心して任せられる、と心から思えたんです」

社長が「強み」だと思っていた技術力は、顧客にとっては「当たり前の前提」でしかありませんでした。

顧客が本当に価値を感じていたのは、技術力の先にある「徹底的に寄り添う姿勢」や「何でも話せる安心感」だったのです。

これこそが、顧客自身も普段は意識していないかもしれない「心の声」であり、サービスの魅力を言語化するための最も重要な原石です。

顧客自身も気づいていない潜在的な欲求、いわゆる「インサイト」を発見すること。そのために、顧客アンケートを実施したり、インタビューを行ったり、あるいは顧客になりきってサービスを体験してみる(カスタマージャーニーマップの作成)といったアプローチが有効です。

2:サービスの「本当の価値」を掘り下げる

顧客の「心の声」が見えてきたら、次に行うべきは、自社のサービスが提供している「本当の価値」を再定義することです。

サービスの本当の価値は、機能的な価値(何ができるか)と、情緒的な価値(どんな気持ちになれるか)の両輪で成り立っています。

  • 機能的価値:製品のスペック、サービスの機能、価格、利便性など、客観的に示すことができる価値。
  • 情緒的価値:安心感、信頼感、優越感、ワクワクする気持ち、自己肯定感など、顧客の感情に働きかける価値。

先の工務店の例で言えば、「高い技術力」は機能的価値であり、「安心して任せられる」という気持ちは情緒的価値です。

多くの場合、企業は機能的価値をアピールすることに終始しがちですが、顧客の最終的な購買決定や、長期的なファン化を促すのは、むしろ情緒的な価値であることが少なくありません。

自社のサービスが、顧客のどのような課題を解決し(機能的価値)、その結果、顧客はどのようなポジティブな感情を得られるのか(情緒的価値)。

この両面から価値を深く掘り下げ、整理していくことが重要です。このプロセスにおいて、自社の強み・弱み、競合の動向、市場の機会などを分析するフレームワーク(3C分析やSWOT分析など)を活用するのも有効な手段となります。

3:価値を「一言で伝える」コンセプトの力

顧客のインサイトを掴み、サービスの本当の価値を再定義できたら、いよいよそれらを統合し、デザインの核となる「コンセプト」を策定します。

コンセプトとは、事業やサービスの「あるべき姿」を一言で定義した、デザインの羅針盤です。

それは、ウェブサイト、広告、名刺、店舗デザインなど、あらゆる顧客接点における表現のブレをなくし、一貫したメッセージを伝え続けるための拠り所となります。

先の工務店の例であれば、コンセプトは例えば「家族の物語を、共に紡ぐ家づくり」といった言葉になるかもしれません。

このコンセプトが決まることで、デザインの方向性は自ずと定まります。

  • ウェブサイト:単なる施工事例の羅列ではなく、施主家族のインタビュー記事を中心に構成する。
  • キャッチコピー:「100年先も、笑顔の記憶が残る家。」
  • 写真のトーン:技術力を誇示するような建物の写真よりも、新しい家で楽しそうに暮らす家族の風景を多用する。
  • ロゴマーク:温かみのある手書き風のフォントや、家族の絆を象徴するようなモチーフを採用する。

このように、強力なコンセプトは、個々のデザイン要素を一つの目的に向かって統合し、相乗効果を生み出します。

その結果、企業の「らしさ」が際立ち、顧客の心に「この会社は、他とは何かが違う」という強い印象を残すことができるのです。

コンセプト作りは、まさにサービスの魂に「言葉」という輪郭を与える、極めて重要なプロセスと言えるでしょう。

第三章:魅力を「伝える」デザインの具体的な技術

サービスの魂である「コンセプト」が定まったら、次はその魂を具体的な「形」へと落とし込み、顧客の五感に訴えかける段階に移ります。

ここでは、言語化された魅力を、実際に「伝える」ためのデザイン技術を3つの側面に分けて解説します。

1:視覚的言語で直感に訴える

人は情報の約8割を視覚から得ていると言われます。顧客があなたのウェブサイトや広告に触れたとき、そこに書かれている文章を読む前に、まず全体の「雰囲気」を瞬時に感じ取っています。

その「雰囲気」を形成しているのが、色彩、フォント、レイアウトといった視覚的な要素です。

これらは単なる装飾ではなく、それ自体がメッセージを持つ「視覚的言語」です。色は感情を動かし、フォントは人格を語り、レイアウトは視線を導きます。これらはすべて、言葉を超えた強力なメッセージです。

  • 色彩の力:例えば、信頼感や誠実さを伝えたいのであれば青系統の色が、温かみや親しみやすさを伝えたいのであればオレンジや黄色といった暖色系が効果的です。先の工務店の例なら、安心感を与えるアースカラー(茶色、緑、ベージュなど)を基調とすることで、「家族の物語を、共に紡ぐ」というコンセプトを視覚的に補強できます。
  • フォントの力:フォントには、それぞれが持つ「個性」や「人格」があります。明朝体のような伝統的で格調高いフォントは信頼性や専門性を感じさせ、ゴシック体は力強くモダンな印象を与えます。丸みを帯びたフォントは、優しさや親しみやすさを表現するのに適しています。コンセプトに合わないフォントを選んでしまうと、伝えたいメッセージと受け手の印象に乖離が生まれ、違和感を与えてしまいます。
  • レイアウトの力:情報の配置や余白の使い方(レイアウト)は、顧客の視線をスムーズに導き、ストレスなく情報を理解してもらうために不可欠です。最も伝えたいメッセージを目立たせる、関連する情報をグループ化する、適度な余白で圧迫感をなくすなど、計算されたレイアウトは、ウェブサイトやパンフレットの「読みやすさ」「分かりやすさ」を劇的に改善します。

これらの視覚的言語を、策定したコンセプトに基づいて戦略的に組み合わせることで、サービスの魅力を直感的かつ瞬時に伝えることが可能になります。

2:ストーリーテリングで共感を呼ぶ

「このサービスは、こんなに素晴らしい機能があります」と一方的に説明されるよりも、「このサービスを使った人は、こんな風に人生が変わりました」という物語を聞かされた方が、人の心は動かされます。

人は論理で納得し、感情で行動します。ストーリーテリングは、顧客の感情に直接働きかけ、サービスを「自分ごと」として捉えてもらうための強力な手法です。

ストーリーには、共感を呼ぶための型があります。

  1. 課題を抱えた主人公(=未来の顧客)が登場する。
  2. 主人公が様々な困難や葛藤に直面する。
  3. そこへ、解決策(=あなたのサービス)が現れる。
  4. サービスを利用することで、主人公は課題を乗り越え、理想の未来を手に入れる。

この構造は、ウェブサイトの構成や、パンフレットの紙面、動画広告のシナリオなど、様々な媒体に応用できます。

例えば、ウェブサイトのトップページで、「こんなお悩みありませんか?」と顧客の課題を提示し、サービス紹介ページで具体的な解決策を示し、「お客様の声」ページで実際に課題を解決した人の物語を紹介する。

この一連の流れが、顧客を物語の主人公へと引き込み、購買意欲を高めていくのです。

大切なのは、企業が主役になるのではなく、あくまで「顧客」を主役にした物語を語ること。あなたのサービスは、主人公が輝くための、信頼できる脇役なのです。

3:体験をデザインする(UXデザイン)

ウェブサイトにアクセスしてから、欲しい情報を見つけ、問い合わせや購入に至るまでの一連の流れ。このすべての顧客接点における「体験」そのものをデザインするのが、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインの考え方です。

どんなに美しいウェブサイトでも、どんなに感動的なストーリーがあっても、顧客がウェブサイトで迷子になったり、問い合わせフォームが見つけにくかったりするだけで、サービスの魅力は半減してしまいます。

「使いにくい」「分かりにくい」といったネガティブな体験は、サービスそのものへの不信感に直結しかねません。

優れたUXデザインは、顧客にストレスを感じさせず、心地よい体験を提供することで、サービスへの信頼感を醸成します。

  • 直感的なナビゲーション:顧客がどこに何の情報があるか、迷わずにたどり着けるか。
  • 分かりやすい導線設計:問い合わせや資料請求といった、企業がとってほしい行動(コンバージョン)への道筋が明確か。
  • 快適な表示速度:ページの読み込みが遅くないか。特にスマートフォンでの閲覧体験は重要。
  • 入力しやすいフォーム:入力項目が多すぎたり、エラー表示が不親切だったりしないか。

これらの細やかな配慮の積み重ねが、顧客満足度を高め、最終的には企業の利益に繋がります。

UXデザインは、もはやウェブサイトだけの話ではありません。店舗での接客、電話応対、商品が届いた時の梱包状態など、顧客が企業と関わるすべての瞬間が「体験」であり、デザインの対象となるのです。

第四章:中小零細企業が今すぐ始められること

「デザインの重要性は分かった。でも、何から手をつければいいのか分からない」

そう感じられた経営者の方も多いかもしれません。大企業のように潤沢な予算や人材をかけられない中小零細企業にとって、デザインへの投資はハードルが高いと感じられることもあるでしょう。

しかし、大掛かりなリニューアルをしなくても、今すぐ始められることはたくさんあります。

ここでは、その第一歩となる3つのアクションをご紹介します。

1:顧客の声を改めて集めてみる

すべての原点は、やはり「顧客」にあります。まずは、机上の空論ではなく、生々しい顧客の声に耳を傾けることから始めてみましょう。

難しく考える必要はありません。既存のお客様に、「いつもありがとうございます。今後のサービス向上のために、少しだけお話を聞かせてもらえませんか?」とお願いしてみるのです。

対面でのインタビューが難しければ、簡単なアンケートフォームを作成してメールで送るだけでも構いません。

その際に重要な質問は、「私たちのサービス(商品)のどこに満足していますか?」ではありません。

より深く掘り下げるためには、顧客が「なぜ」あなたの商品やサービスを選んでくれたのか、その理由を探る質問が不可欠です。
「他の会社ではなく、うちを選んでいただいた決め手は何でしたか?」
「このサービスを使い始めてから、何か良い変化はありましたか?」
といった質問を投げかけることで、自社が提供している「本当の価値」のヒントが見えてくるはずです。

2:自社の「強み」を3つの言葉で書き出してみる

顧客の声が集まったら、次は社内に目を向けてみましょう。社長や一部の役員だけでなく、ぜひ従業員を巻き込んで、「うちの会社の本当の強みって何だろう?」というテーマで話し合ってみてください。

やり方はシンプルです。大きな紙やホワイトボードを用意し、部署や役職に関係なく、思いつく自社の良いところ、お客様から褒められたこと、他社には負けないと思うことなどを、付箋にどんどん書き出していきます。

最初は些細なことに思えても構いません。大切なのは、全員でアイデアを出し尽くすことです。

そして、出揃った付箋を眺めながら、似たような内容をグループ化し、議論を重ねて、最終的に「これぞ、うちの強みだ」と言える要素を3つ程度の言葉に絞り込んでみてください。

このプロセスを経ることで、普段当たり前だと思っていることの中にこそ、他社にはない独自の「強み」が隠れていることに気づくことができます。

また、従業員全員で自社の価値を再認識する、絶好の機会にもなります。

3:デザインの専門家と「壁打ち」してみる

顧客の声を聞き、自社の強みを再認識する。ここまでできたら、ぜひ一度、外部の専門家であるデザイナーに話を聞いてもらってください。

ここで重要なのは、「ウェブサイト制作の見積もり依頼」といった具体的な発注を前提とするのではなく、まずは「壁打ち相手」として相談してみることです。

集めた顧客の声や、社内で議論した強みを見せながら、「私たちの魅力って、どういう言葉や形にすれば伝わると思いますか?」と、率直に問いかけてみるのです。

デザイナーは、客観的な視点で事業の魅力と課題を整理し、それを「伝わる形」に翻訳するプロフェッショナルです。

経営者や従業員だけでは気づけなかった、新たな価値を発見してくれるかもしれません。

また、漠然としていた課題に対して、具体的な解決策の方向性を示してくれるでしょう。

多くのデザイナーは、単に「言われたものを作る」のではなく、クライアントの事業そのものに貢献したいと願っています。

パートナーとして信頼できるデザイナーを見つけ、対話を重ねること。それこそが、魅力が「伝わる」仕組みを作るための、最も確実で効果的な一歩となるはずです。

デザインは、未来の顧客への「ラブレター」

これまで見てきたように、デザインとは、単に見た目を美しくする作業ではありません。

それは、顧客の心の声に耳を澄まし、サービスの持つ本質的な価値を掘り起こし、コンセプトという魂を吹き込み、そして視覚言語やストーリー、心地よい体験という形を与えて、顧客の元へと届ける一連のコミュニケーション活動そのものです。

デザインは、もはや単なる制作工程の一部ではありません。

経営戦略そのものと密接に結びついた、企業の成長を加速させるための投資なのです。

自社のサービスの魅力が、まだ世の中に十分に伝わっていないと感じるなら、それは大きなチャンスです。

なぜなら、その魅力が「伝わる」仕組みさえ構築できれば、事業は飛躍的に成長するポテンシャルを秘めているからです。

サービスの魅力を「言語化」し、デザインで「視覚化」する。そのプロセスは、まるで未来の顧客へ向けて、心を込めて「ラブレター」を書く作業に似ています。

「私たちのサービスは、あなたのこんな課題を解決し、こんな素敵な未来をもたらすことができます」という情熱的なメッセージを、相手に最も響く言葉と形で届けること。

魅力が「伝わる」仕組みをデザインすることは、顧客との長期的な信頼関係を築き、持続可能な事業成長を実現するための第一歩なのです。

さあ、あなたのサービスの持つ本来の輝きを、必要としている未来の顧客へ、的確に届けるための旅を、今日から始めてみませんか。


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