静まり返ったウェブサイトの謎
「多額の費用と時間をかけて、ようやく立派なホームページ(HP)を公開した。これで問い合わせや注文が殺到するはずだ」。
多くの経営者様が、そんな期待を胸に自社のウェブサイトを世に送り出していることでしょう。
しかし、その期待とは裏腹に、アクセス解析の画面は静まり返り、問い合わせフォームから通知が届くことはほとんどありません。
まるで、大海原にぽつんと浮かぶ孤島のように、誰の目にも留まらないのです。
ウェブサイトは、正しく機能すれば「24時間365日働く優秀な営業マン」になるはずです。
しかし、現実には多くのウェブサイトがその役割を果たせず、単なるオンライン上のパンフレットと化してしまっています。
一体なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。最新のデザインを取り入れ、写真もプロに頼み、コンテンツも十分に盛り込んだのに…。
それなのに、なぜ成果に繋がらないのか。
「ウチの業界は特殊だから」
「ウェブで売れるような商材ではない」
といった諦めの声も聞こえてきそうです。
しかし、本当にそうでしょうか。同じ業界、同じような商材を扱っていても、ウェブサイトから着実に成果を上げている企業は存在します。
その差は、一体どこにあるのでしょうか。
実は、その原因の多くは、一見すると気づきにくい「デザイン」に潜んでいます。
ここで言うデザインとは、単に見た目の美しさや斬新さのことではありません。
成果を遠ざけ、ビジネスの機会を静かに奪っていく「機会損失デザイン」とでも言うべき、根深い問題のことです。
この記事では、プロの視点から、多くの企業が見過ごしてしまっているウェブサイトの「機会損失デザイン」の罠を5つに分類し、その原因と対策を詳しく解説していきます。
なぜ、あなたの会社のウェブサイトが静まり返っているのか。
その謎を解き明かす旅に、ご一緒にお付き合いいただければ幸いです。
もしかしたら、ほんの少し視点を変えるだけで、眠っていたウェブサイトが、力強いビジネスのエンジンとして再始動するきっかけが見つかるかもしれません。
機会損失デザインとは何か?:ユーザーとの間に存在する「見えない壁」
本題に入る前に、まずは「機会損失デザイン」という言葉の定義を明確にしておきましょう。
機会損失デザインとは、ウェブサイトを訪れたユーザー(潜在的な顧客)が、本来の目的(情報の入手、商品の購入、問い合わせなど)を達成するのを妨げ、結果として企業が得るはずだった利益やビジネスチャンスを失わせてしまうデザイン上の問題全般を指します。
重要なのは、これが単なる「見栄えが悪い」といった問題ではないということです。
むしろ、一見するとプロが作ったような、きれいでモダンなデザインのウェブサイトにこそ、この罠は潜んでいることが多いのです。
なぜなら、作り手である企業側の「伝えたいこと」と、受け手であるユーザー側の「知りたいこと」の間に、深刻なズレが生じているケースが非常に多いからです。
想像してみてください。
あなたが初めて訪れる街で、立派で美しい建物を見つけたとします。
しかし、入口がどこにあるのか分からず、案内板の文字は小さすぎて読めず、中から聞こえてくるのは専門家しか分からないような難しい言葉ばかり。
あなたはその建物に入ろうと思うでしょうか。おそらく、数分も経たないうちに「自分には縁のない場所だ」と判断し、立ち去ってしまうでしょう。
ウェブサイト上で起きている「機会損失」も、これと全く同じです。
ユーザーはあなたのウェブサイトに訪れたとき、無意識のうちに「見えない壁」にぶつかっているのかもしれません。
その壁は、分かりにくいナビゲーションであったり、独りよがりなメッセージであったり、信頼性の欠如であったりします。
ユーザーは、その壁の存在をわざわざ教えてはくれません。
ただ、静かに「戻る」ボタンを押し、二度とあなたのサイトを訪れることはないのです。これが、機会損失デザインの恐ろしさです。
これから、その「見えない壁」の正体である5つの罠について、一つひとつ具体的に見ていくことにしましょう。
罠1:自己満足の「かっこいい」デザイン
企業のウェブサイトリニューアルにおいて、最も陥りやすい罠の一つが、この「自己満足のかっこいいデザイン」です。
経営者や担当者が
「とにかくスタイリッシュにしてほしい」
「他社にはないような、先進的なデザインにしたい」
と考えること自体は、決して悪いことではありません。
しかし、その思いが強すぎるあまり、最も重要な視点が抜け落ちてしまうことがあります。
それは、「誰のための」ウェブサイトなのかという、ユーザー視点の欠如です。
なぜ「かっこいいだけ」ではダメなのか?
ウェブサイトの目的が「かっこよく見せること」にすり替わってしまった瞬間から、機会損失は始まります。
例えば、以下のようなケースに心当たりはないでしょうか。
- トップページを開くと、美しい映像やアニメーションが全画面で再生されるが、肝心のメニューがどこにあるのか分かりにくい。
- 業界の専門用語や、社内だけで通用するような言葉が多用されており、初めて訪れた人には何をしている会社なのかが伝わらない。
- デザイン性を優先するあまり、文字が小さすぎたり、背景とのコントラストが低くて読みにくかったりする。
- 伝えたいメッセージが抽象的すぎて、結局、自社の強みや提供価値が何なのか、具体的に理解できない。
これらはすべて、作り手側の「こう見せたい」という欲求が、ユーザーの「これが知りたい」というニーズを上回ってしまった結果です。
企業側は「我々の先進性やセンスの良さが伝わるはずだ」と信じています。
しかし、ユーザーは違います。ユーザーがウェブサイトに訪れるのは、何らかの「課題」や「目的」を持っているからです。
「〇〇のことで困っている」
「〇〇の料金を知りたい」
「信頼できる会社を探している」
といった、極めて具体的な動機です。
ユーザーが求めているのは、デザインの芸術性ではなく、自分の課題を解決してくれる「答え」や「共感」なのです。
過剰な演出や独りよがりな表現は、その答えにたどり着くまでのノイズ(障害)でしかありません。
ユーザーは、かっこいいサイトを鑑賞しに来たのではなく、自分の目的を果たすために訪れているという大前提を、私たちは決して忘れてはならないのです。
主役は「ユーザー」であるという意識
優れたデザインとは、自己主張するものではなく、主役であるコンテンツ(情報)をそっと引き立て、ユーザーが目的をスムーズに達成できるよう手助けをする、いわば「最高の黒子」のような存在です。
あなたの会社のウェブサイトは、会社自身が主役になってしまっていませんか?それとも、訪問者であるユーザーが主役になれていますか?
一度、自社のウェブサイトを「初めて訪れる顧客」の目で冷静に見てみてください。
「このサイトは、私たちのことを本当に考えてくれているだろうか?」その問いに自信を持って「はい」と答えられないのであれば、それは危険な兆候です。
ウェブサイトの主役は、あくまで訪問者であるユーザーである。この原則に立ち返ることこそ、自己満足の罠から抜け出すための第一歩となります。
罠2:情報が迷子になる「不親切」な設計
あなたのウェブサイトは、初めて訪れた人でも、目的の情報に迷わずたどり着けるようになっているでしょうか。
「どこに何があるか分からない」。これは、ユーザーがウェブサイトに対して抱く不満の中で、最も致命的なものの一つです。
せっかく興味を持って訪れてくれたユーザーを、サイト内で迷子にさせてしまう。これもまた、大きな機会損失につながる「不親切」な設計の罠です。
どんなに優れた商品やサービスを持っていても、どんなに魅力的なコンテンツを用意していても、ユーザーがその情報にたどり着けなければ、存在しないのと同じです。
ユーザーが「探す手間」を感じた瞬間に、あなたのサイトから静かに去っていきます。
そして、もっと分かりやすい競合他社のサイトへと移ってしまうのです。
「導線設計」というおもてなしの心
ウェブサイトにおける情報の分かりやすさは、「導線設計」という考え方に基づいています。
導線設計とは、ユーザーがサイトに訪問してから、目的を達成(問い合わせ、購入など)するまでの道筋を、分かりやすくスムーズに整えてあげることです。
これは、実店舗におけるお客様の案内や、商品の陳列方法を考えることに非常に似ています。
不親切な設計のウェブサイトによく見られる特徴は以下の通りです。
- ナビゲーションメニューの言葉が分かりにくい:例えば「私たちの哲学」や「ソリューション」といった、企業側目線の言葉が使われている
- どこをクリックできるのかが直感的に分からない:ボタンなのか、ただの飾りなのか、デザイン上の区別がつきにくい
- 重要な情報(料金、連絡先、会社概要など)が、非常に見つけにくい場所にある
- ページの階層構造が深すぎて、目的のページにたどり着くまでに何度もクリックが必要になる
- 関連する情報へのリンクがなく、ユーザーが次に見るべきページが提示されていない
これらの問題は、ユーザーに不要なストレスを与え、離脱の直接的な原因となります。
特に、BtoB(企業間取引)のウェブサイトでは、担当者が業務時間内に情報収集をしています。
彼らにとって「時間」は非常に貴重です。分かりにくいサイトで時間を浪費することは、そのままビジネスチャンスの喪失に直結します。
優れた導線設計とは、ユーザーを「おもてなし」する心遣いそのものです。
「こちらに価格表がございます」
「次はこちらの導入事例をご覧になってはいかがでしょうか」
「ご不明な点はこちらからお気軽にお問い合わせください」
まるで優秀な営業担当者が隣で案内してくれるかのように、ユーザーが次に取るべき行動をさりげなく、そして的確に示してあげることが求められます。
利用者の「当たり前」をデザインする
導線設計を考える上で重要なのは、「作り手の当たり前」を捨てることです。
自社の事業やウェブサイトに詳しい内部の人間にとっては、どこに何があるかは自明のことかもしれません。
しかし、初めて訪れるユーザーにとっては、すべてが未知の情報です。
「サービス案内」というメニューがあれば、具体的なサービス内容や特徴が書かれているだろう。
「導入事例」をクリックすれば、過去の実績が見られるだろう。こうした、ユーザーが一般的に期待する「お決まりのパターン」や「心の地図」に寄り添った構造にすることが、親切な設計の基本となります。
奇をてらったユニークなサイト構造は、多くの場合、ユーザーを混乱させるだけの結果に終わることを知っておくべきです。
罠3:誰にも響かない「八方美人」なメッセージ
「より多くの人に、我々のことを知ってもらいたい」。そう考えるのは、ビジネスを行う上で当然のことです。
しかし、その思いがウェブサイトのメッセージ戦略において、「すべての人に好かれよう」という方向に向かってしまうと、深刻な罠に陥ります。
それは、結果として「誰の心にも響かない」、輪郭のぼやけたメッセージを発信し続けてしまう「八方美人」の罠です。
「高品質」「信頼と実績」「お客様第一」。
これらの言葉は、一見すると正しく、立派に見えます。
しかし、考えてみてください。これらの言葉を掲げていない会社が、果たして存在するでしょうか。
どの会社のウェブサイトにも書かれているような、当たり障りのない言葉の羅列は、残念ながらユーザーの心には少しも響きません。
それは、メッセージの「届け先」が明確になっていないからです。
なぜターゲットを絞る必要があるのか?
「ターゲットを絞る」と聞くと、「顧客を限定してしまい、機会を逃すのではないか」と不安に感じる経営者様は少なくありません。
しかし、現実はその逆です。ターゲットを絞ることは、その他のお客様を「捨てる」ことではありません。
むしろ、最も価値を提供できるはずの「理想のお客様」に対して、「あなたのためのメッセージですよ」と力強く呼びかけるための戦略なのです。
例えば、あなたが深刻な腰痛に悩んでいるとします。そのとき、どちらの整体院に惹かれるでしょうか。
- A院:「肩こり、腰痛、頭痛、なんでもお任せください!地域の皆様の健康をサポートします」
- B院:「長年のデスクワークによる慢性的な腰痛に悩む、30代から50代のIT技術者のための専門整体院」
おそらく、多くの方がB院に強い関心を抱くはずです。
B院は、ターゲットを明確に絞り込むことで、「これは、まさに私のことだ」という強い当事者意識をユーザーに抱かせることに成功しています。
一方でA院のメッセージは、誰にでも当てはまるように聞こえるため、結果として誰の心にも深くは刺さりません。
これが、メッセージにおける「選択と集中」の効果です。
「誰にでも」届けようとしたメッセージは、結局「誰にも」深くは届かない。
この厳しい現実を、私たちは受け入れなければなりません。
「ペルソナ」という名の、たった一人の顧客
では、どうすればメッセージの輪郭を明確にできるのでしょうか。そのための有効な手法が「ペルソナ設定」です。
ペルソナとは、あなたのビジネスにとって最も理想的な顧客像を、まるで実在する一人の人物のように、具体的に描き出したものです。単なる「30代男性」といった属性だけでなく、その人の名前、年齢、職業、家族構成、趣味、抱えている悩み、情報収集の方法まで、詳細に設定します。
そして、ウェブサイトに掲載するすべての文章、すべてのデザインを、「そのたった一人のペルソナに向けて語りかける」ように作っていくのです。
「〇〇さん(ペルソナの名前)は、きっとこんなことで悩んでいるはずだ。
だから、この情報を最初に伝えよう」「彼なら、この言葉に共感してくれるに違いない」。
そうやって作られたメッセージは、驚くほど具体的で、熱量を帯び、説得力を持つようになります。
そして不思議なことに、たった一人に向けて研ぎ澄まされたメッセージは、そのペルソナに近い悩みや価値観を持つ、他の多くの人々の心にも強く響くのです。
あなたのウェブサイトは、不特定多数の群衆に向かって叫んでいませんか?それとも、大切なたった一人のお客様に、真摯に語りかけていますか?
罠4:信頼を損なう「更新されない」情報
ウェブサイトは、いわば企業の「顔」です。その顔が、もし何年も手入れされずに放置されていたとしたら、訪れた人はどう感じるでしょうか。
「この会社、本当に今も活動しているのだろうか?」
「なんだか活気のない会社だな」
そんな不安や不信感を抱かせてしまうのも、見過ごされがちな機会損失の罠です。
ウェブサイトは「一度作ったら終わり」の看板ではありません。ビジネスの状況に合わせて常に情報を更新し、生命を吹き込み続けるべき「生き物」です。情報の鮮度は、そのまま企業の信頼性に直結します。
「放置」がもたらす静かなダメージ
ウェブサイトの放置は、様々な形で企業の信頼を静かに、しかし確実に蝕んでいきます。
- 「お知らせ」や「ニュース」が数年前で止まっている:最も分かりやすい放置のサインです。ユーザーに「事業が停滞しているのでは」という印象を与えます。
- 掲載されている情報が古い:商品やサービスの仕様、価格、住所などが古いままになっていると、顧客に混乱を招き、ビジネス上のトラブルに発展しかねません。
- 実績や事例が追加されない:新しい実績が更新されないと、「最近は仕事がないのだろうか」という疑念を生む可能性があります。
- ブログやコラムが更新されない:「専門家として情報を発信する」と宣言しておきながら更新が滞っていると、言行不一致と見なされ、かえって信頼を損ないます。
- SSL化(https://)されていない:現在では常識となったセキュリティ対策が施されていないサイトは、ブラウザに「保護されていない通信」と警告が表示され、ユーザーに強い不安感を与えます。
特に、BtoBの取引を検討している担当者や、採用活動で企業を調べている求職者にとって、ウェブサイトから感じられる「信頼性」や「活気」は、意思決定の重要な判断材料となります。
古い情報が放置されたウェブサイトは、知らないうちに大切なビジネスパートナーや優秀な人材を遠ざけているかもしれないのです。
ウェブサイトは「育てる」もの
この罠から抜け出すために必要なのは、「ウェブサイトは育てるもの」という意識への転換です。
立派なウェブサイトを一度に完成させようとするのではなく、まずは必要最低限の構成でスタートし、お客様の声や市場の変化に合わせて、継続的に改善や更新を重ねていく。
この「運用」の視点こそが、ウェブサイトを真に価値ある資産に変える鍵となります。
「お知らせ」を月に一度更新するだけでも、サイトに活気が生まれます。
小さな成功事例でも、一つ追加するだけで、事業が続いている証になります。
ブログを週に一度書くことが難しければ、月に一度でも構いません。大切なのは、完璧を目指すことではなく、「継続すること」です。
あなたの会社のウェブサイトは、時が止まっていませんか?定期的に情報を見直し、新鮮な空気を送り込む習慣を持つことが、静かな機会損失を防ぎ、揺るぎない信頼を築くための確実な一歩となります。
罠5:スマートフォンユーザーを無視した「時代遅れ」の構造
最後の罠は、現代のウェブ利用環境において、もはや「致命的」とも言える問題です。
それは、スマートフォンでの閲覧が考慮されていない、あるいは不十分なウェブサイトです。
今や、BtoC(個人向けビジネス)はもちろんのこと、BtoB(企業間取引)においても、情報収集の第一歩はスマートフォンで行われることが珍しくありません。
移動中や休憩中など、隙間時間に手軽に情報を探すのが当たり前の時代になりました。
この現実を無視し、いまだにパソコンでの閲覧しか想定していないウェブサイトを運営しているとしたら、それは計り知れないほどの機会損失を生み出し続けていると言わざるを得ません。
スマートフォンでの快適な閲覧体験を提供できるかどうかは、もはや選択肢ではなく、ビジネスの成否を分ける必須要件なのです。
指先で感じる「ストレス」が離脱を招く
パソコン用のサイトをスマートフォンで表示した場合、ユーザーはどのようなストレスを感じるでしょうか。
- 文字や画像が小さすぎて、いちいち指で拡大(ピンチアウト)しないと読めない
- ボタンやリンクが小さすぎて、押し間違えやすい
- 横スクロールが多発し、サイトの全体像が把握しにくい
- パソコンでしか表示できないコンテンツ(Flashなど)がある
- ページの表示速度が極端に遅い
こうしたストレスを感じたユーザーは、どうするでしょうか。答えは明白です。
彼らは、コンマ数秒で「このサイトは見にくい」と判断し、すぐに離脱してしまいます。
どんなに有益な情報が書かれていても、その情報が読まれる前に、勝負はついてしまっているのです。
スマートフォンユーザーを無視することは、多くのお客様を門前払いしているのと同じ行為です。
わざわざ店の前まで来てくれたのに、「見にくいから」「使いにくいから」という理由で、入店を諦めさせてしまっている。
これほどもったいないことはありません。
「レスポンシブデザイン」という現代の常識
この問題を解決するための標準的な技術が「レスポンシブウェブデザイン」です。これは、一つのHTMLファイルで、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、閲覧している端末の画面サイズに応じて、レイアウトやデザインを自動的に最適化して表示する仕組みのことです。
レスポンシブデザインを導入することで、
- どの端末でも、適切な文字サイズやレイアウトで情報を提供できる
- URLが一つに統一されるため、管理がしやすく、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも有利になる
- ユーザーは端末を意識することなく、シームレスな体験を得られる
といったメリットが得られます。現在、新規にウェブサイトを制作する場合、レスポンシブデザインに対応することは、もはや「当たり前」の仕様となっています。
もし、あなたの会社のウェブサイトがまだスマートフォンに対応していないのであれば、それは最も緊急かつ重要な経営課題の一つとして捉えるべきです。
今すぐ、ご自身のスマートフォンで自社のサイトにアクセスし、ユーザーが感じているであろうストレスを追体験してみてください。
その「見にくさ」や「使いにくさ」の中に、これまで逃し続けてきた無数のビジネスチャンスが隠されているはずです。
機会損失から抜け出し、成果を生むウェブサイトへ
ここまで、多くの企業が陥りがちな「機会損失デザイン」の5つの罠について解説してきました。
- 罠1:企業の自己満足に陥った「かっこいい」だけのデザイン
- 罠2:ユーザーを迷子にさせる「不親切」な情報設計
- 罠3:誰にも響かない「八方美人」なメッセージ
- 罠4:信頼を損なう「更新されない」古い情報
- 罠5:スマホユーザーを無視した「時代遅れ」の構造
これらの罠は、決して他人事ではありません。むしろ、真面目にビジネスに取り組んでいる企業ほど、知らず知らずのうちに足を踏み入れてしまっている可能性があります。
では、これらの罠から抜け出し、ウェブサイトを「成果を生む営業マン」へと変えていくためには、何から始めればよいのでしょうか。
その第一歩は、自社のウェブサイトを「主観」ではなく「客観」で評価することです。
これまで「こうあるべきだ」と考えていた作り手側の視点を一度脇に置き、「ユーザーならどう感じるか?」という、徹底した顧客視点に立って、自社のサイトを隅々まで見直してみてください。
「私たちの強みは、本当に伝わっているだろうか?」
「初めて訪れた人でも、迷わず問い合わせまでたどり着けるだろうか?」
「このメッセージは、本当に理想のお客様の心に響くだろうか?」
まずは「当たり前」を疑うことから始めてみましょう。
可能であれば、あなたのビジネスを全く知らない知人や友人にウェブサイトを使ってもらい、率直な感想を聞いてみるのも非常に有効な方法です。
きっと、社内では気づかなかった多くの課題が見えてくるはずです。
ウェブサイトは、一度作って終わりではありません。市場の変化、顧客のニーズ、そしてビジネスの成長に合わせて、常に改善を重ねていくべき、ダイナミックなツールです。
ウェブサイトデザインとは、単なる装飾ではなく、経営課題を解決するための「戦略的な投資」です。
もし、自社だけでの改善に限界を感じたり、どこから手をつけていいか分からなかったりした場合は、外部の専門家の視点を取り入れることも有効な選択肢の一つです。
客観的な分析と的確な戦略に基づいた改善を行うことで、これまで眠っていたウェブサイトの価値を最大限に引き出すことができるでしょう。
この記事が、あなたの会社のウェブサイトが抱える課題を発見し、未来の大きな成果へと繋がる一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
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