その悩み、多くの企業が抱えています

「自社の魅力をもっと伝えたいのに、なかなか顧客に響かない」
「競合他社との違いを明確にしたいが、どう表現すればいいかわからない」
「ウェブサイトやパンフレット、なんとなく作ってはいるけれど、本当にこれでいいのだろうか…」

中小零細企業の経営者様やマーケティングご担当者様から、このようなお悩みを伺う機会が少なくありません。一生懸命に製品やサービスを磨き上げ、誠実な事業運営を心がけていても、その「価値」や「想い」、つまり「ウチらしさ」が思うように伝わらない。これは非常にもどかしく、深刻な課題です。

情報が溢れ、顧客の選択肢が無限に広がる現代において、「らしさ」が伝わらないということは、顧客の記憶に残らず、選ばれる機会を失っていることと同義かもしれません。どんなに優れた技術やサービスを持っていても、その魅力が的確に伝わらなければ、宝の持ち腐れになってしまうのです。

「ウチは中小企業だから、デザインにお金をかける余裕なんて…」そう思われるかもしれません。しかし、デザインは単なる「見た目」を整えることではありません。企業の強みを引き出し、顧客に響く形で伝え、最終的にはビジネスの成長に貢献するための重要な「戦略」なのです。

本記事では、なぜ「ウチらしさ」が伝わりにくくなってしまうのか、その原因を探りながら、企業の隠れた強みを引き出し、顧客に響くメッセージとして届けるための「デザイン戦略」の秘訣について、具体的なステップを交えながら解説していきます。この記事が、皆様の事業の「らしさ」を再発見し、輝かせるための一助となれば幸いです。

なぜ「ウチらしさ」は伝わりにくいのか? その原因を探る

自社の魅力が顧客に届かない背景には、いくつかの共通した原因が潜んでいることが多くあります。まずは、その原因を客観的に把握することから始めましょう。

原因1:自社の「強み」や「価値」を言語化できていない

「ウチの強みは?」と問われたとき、すぐに明確な言葉で説明できるでしょうか。「技術力」「品質」「顧客対応の丁寧さ」など、漠然とした答えは浮かんでも、それが具体的にどのような価値を顧客にもたらすのか、競合と比べて何がどう優れているのか、という点まで深く掘り下げ、言語化できている企業は意外と少ないものです。自分たちが当たり前だと思っていることの中にこそ、実は顧客にとって大きな価値が隠れている可能性があります。この「当たり前」を客観的に捉え、魅力的な言葉に変換する作業が不可欠です。

原因2:ターゲット顧客が明確でない

「誰に」伝えたいのかが曖昧なままでは、メッセージは誰にも響きません。「すべての人へ」というメッセージは、結局「誰にも」届かないメッセージになりがちです。自社の製品やサービスを本当に必要としているのはどんな人で、その人はどんなことに悩み、何を求めているのか。理想の顧客像(ペルソナ)を具体的に描けていないと、的外れなアプローチになってしまう可能性があります。

原因3:デザインに一貫性がない

ウェブサイト、パンフレット、名刺、SNSアカウント、店舗の外観…顧客が企業に触れる接点は多岐にわたります。しかし、それぞれのデザインテイストがバラバラだったり、使われているロゴや色が統一されていなかったりすると、顧客は混乱し、企業のイメージを明確に認識することができません。一貫性のないデザインは、信頼感を損ない、ブランドイメージの構築を妨げる大きな要因となります。

原因4:伝えたいメッセージが曖昧、または多すぎる

「あれもこれも伝えたい」という想いが強すぎるあまり、メッセージが散漫になってしまうケースもよく見られます。たくさんの情報を詰め込みすぎると、結局何が一番重要なのかが伝わりません。逆に、メッセージが抽象的すぎても、顧客は具体的なメリットをイメージできません。最も伝えたい核心的なメッセージを絞り込み、シンプルかつ具体的に表現することが重要です。

原因5:競合との差別化ができていない

市場には多くの競合が存在します。その中で自社を選んでもらうためには、「なぜウチでなければならないのか」という明確な理由を提示する必要があります。価格競争に陥るのではなく、自社独自の価値やポジションを明確にし、それをデザインやメッセージで効果的に表現することで、競合との差別化を図る必要があります。

これらの原因に心当たりはありませんか? まずは自社の現状を冷静に見つめ直すことが、「らしさ」を伝えるための第一歩となります。

「らしさ」を定義する:強みの再発見とターゲットの明確化

「ウチらしさ」が伝わらない原因が見えてきたら、次はその「らしさ」の輪郭をはっきりとさせ、磨き上げるステップに進みましょう。これは、自社の根幹を見つめ直し、進むべき方向性を定める重要なプロセスです。

自社分析:宝探しのように「強み」を発掘する

企業の「らしさ」は、付け焼刃で作られるものではありません。それは、これまでの歩みの中に、日々の業務の中に、そして関わる人々の想いの中に、既に存在しているはずです。以下の視点から、自社の内側に眠る「宝」を探してみましょう。

  • 創業の経緯や歴史:どんな想いで事業を始めたのか、大切にしてきた理念は何か
  • 提供している製品やサービス:顧客はなぜそれを選んでくれるのか、どんな点に満足しているのか
  • 顧客の声:アンケート、レビュー、直接いただいた感謝の言葉など
  • 従業員の想い:仕事へのこだわり、やりがい、顧客への想い
  • 社内の雰囲気や文化:大切にしている価値観、独自の習慣
  • 競合と比較した際の優位性:技術、品質、スピード、価格、サポート体制、専門性など

これらの情報を集め、客観的に分析することで、自社が持つ独自の強みや提供価値が具体的に見えてきます。

強みを「伝わる言葉」にする

発掘した強みや価値は、そのままではまだ原石の状態です。それを顧客に響く「言葉」に磨き上げていく必要があります。

  • キーワード抽出:分析結果から、自社を象徴するキーワードを複数洗い出す
  • コンセプト策定:キーワードを組み合わせ、最も伝えたい核心的なメッセージ(コア・コンセプト)を定める
  • ストーリー化:コンセプトを軸に、企業の想いや背景、顧客への提供価値を物語として紡ぐ

難しい言葉や専門用語ではなく、ターゲット顧客が理解しやすく、共感できる言葉を選ぶことが重要です。この「言葉」が、今後のデザイン戦略全体の道しるべとなります。

ターゲット顧客像(ペルソナ)の明確化

誰に「らしさ」を伝えたいのかを具体的に定義します。

  • 年齢、性別、職業、居住地などの基本情報
  • ライフスタイル、価値観、興味関心
  • 抱えている悩みや課題、求めている解決策
  • 情報収集の方法、意思決定のプロセス

理想の顧客像を具体的に設定(ペルソナ設定)することで、その人に響くメッセージやデザインの方向性が明確になります。「この人に伝えたい」という強い想いが、よりパーソナルで心に届くコミュニケーションを可能にするのです。

この「らしさ」の定義プロセスは、デザイン戦略の根幹を成す、最も重要なステップと言えるでしょう。

デザイン戦略とは何か? 見た目だけではない、経営戦略としてのデザイン

「らしさ」の輪郭が見えてきたところで、いよいよ「デザイン戦略」について考えていきましょう。「デザイン」と聞くと、ロゴやウェブサイトの見た目をきれいにすること、あるいはパンフレットをおしゃれにすることなどをイメージされるかもしれません。もちろん、それらもデザインの一部ですが、デザイン戦略はもっと深く、企業の経営目標達成に貢献するための計画的な活動を指します。

デザイン戦略の定義:「らしさ」を「伝わる形」に翻訳するプロセス

デザイン戦略とは、前章で定義した「企業のらしさ(強み、価値、想い)」を、ターゲット顧客に最も効果的に伝え、共感や信頼、そして行動(購買や問い合わせなど)を促すために、視覚的要素(色、形、文字、写真など)や体験(ウェブサイトの使いやすさ、店舗の雰囲気など)を計画的に設計し、一貫性を持って展開していくことです。

それは、単に見た目を装飾することではなく、以下の目的を持った戦略的なアプローチです。

  • 企業の独自性や価値を明確に伝える
  • ターゲット顧客の注意を引きつけ、関心を高める
  • 競合他社との差別化を図る
  • ブランドイメージを構築し、信頼感を醸成する
  • 顧客との良好な関係性を築き、維持する
  • 最終的に、企業の収益向上や目標達成に貢献する

一貫性のあるブランド体験の創出

デザイン戦略の核となるのが「一貫性」です。顧客は、ウェブサイト、広告、製品パッケージ、店舗、営業担当者との会話など、様々なタッチポイント(接点)で企業に触れます。これらの全てのタッチポイントで、統一されたメッセージとデザインによって「らしさ」が表現されていることが、強力なブランドイメージを構築する上で非常に重要です。

例えば、ウェブサイトは洗練されているのに、パンフレットは古臭いデザインだったり、SNSでは親しみやすい口調なのに、問い合わせ対応は事務的だったりすると、顧客は企業に対して一貫性のない、ちぐはぐな印象を抱いてしまいます。これは、信頼を損なう大きな要因となりかねません。

デザイン戦略は、これら全ての顧客体験を俯瞰し、一貫した「らしさ」を感じてもらえるように設計していくプロセスなのです。それは、企業の「顔」を作り、その「人格」を形作っていく作業とも言えます。

デザインは、もはやデザイナーだけのものではなく、経営者やマーケティング担当者も深く関わるべき、重要な経営戦略の一部なのです。

強みを引き出すデザイン戦略の秘訣:5つのキーポイント

では、具体的にどのようにデザイン戦略を進めていけば、企業の「らしさ」を効果的に伝え、強みを最大限に引き出すことができるのでしょうか。ここでは、成功のための5つの秘訣をご紹介します。

秘訣1:コンセプトの明確化

全てのデザインの出発点であり、最も重要なのが「コンセプト」です。これは、前述した「らしさの定義」で導き出した、企業が最も伝えたい核心的なメッセージを指します。

  • 誰に(ターゲット):明確に定義したターゲット顧客像
  • 何を(メッセージ):自社の独自の強み、提供価値、ブランドの個性
  • どのように(トーン&マナー):伝えたいイメージ(例:信頼感、革新性、親しみやすさ、高級感など)

このコンセプトが明確であればあるほど、デザインの方向性は定まり、ブレのない一貫した表現が可能になります。デザイン制作に関わる全ての人がこのコンセプトを共有し、判断基準とすることが成功の鍵です。

秘訣2:視覚的要素の一貫性

コンセプトに基づき、企業の「らしさ」を視覚的に表現する要素を統一します。

  • ロゴマーク:企業の顔となるシンボル:シンプルで記憶に残り、コンセプトを反映しているか
  • ブランドカラー:企業イメージを象徴する色:色の持つ心理的効果も考慮する
  • フォント(書体):メッセージの印象を左右する重要な要素:読みやすさと個性のバランス
  • 写真・イラスト:トーン&マナー(雰囲気やスタイル)を統一:プロフェッショナル感、温かみ、先進性など

これらの視覚的要素を、ウェブサイト、パンフレット、名刺、広告、SNS、製品パッケージ、店舗デザインなど、あらゆる顧客接点で一貫して使用することが重要です。これにより、顧客は無意識のうちにその企業「らしさ」を認識し、記憶に留めやすくなります。

秘訣3:ターゲットに響く表現

どんなに優れたデザインでも、ターゲット顧客の心に響かなければ意味がありません。

  • 顧客の価値観や感性に寄り添う:ターゲットが好きそうなテイスト、理解しやすい表現方法
  • 専門用語を避ける:顧客が日常的に使う言葉で語りかけるコピーライティング
  • ベネフィットの訴求:製品やサービスの「特徴」だけでなく、それによって顧客が得られる「利益(ベネフィット)」を具体的に示す

常にターゲット顧客の視点に立ち、「このデザインやメッセージは、彼らにとって魅力的か?」「わかりやすいか?」「共感できるか?」と自問自答することが大切です。顧客目線でのデザイン思考が、心を掴むコミュニケーションを生み出します。

秘訣4:ストーリーテリングの活用

人は単なる情報よりも、物語に心を動かされ、記憶に残りやすいものです。企業の「らしさ」を伝える上で、ストーリーテリングは非常に有効な手法です。

  • 創業の想いや開発秘話:製品やサービスに込められた情熱や背景
  • 顧客とのエピソード:顧客の課題をどのように解決し、喜ばれたか
  • 従業員のこだわり:仕事に対する真摯な姿勢や専門性

企業の持つストーリーを、ウェブサイトの「会社概要」や「ブログ」、パンフレットなどで語ることで、単なるスペックや機能紹介だけでは伝わらない、人間味や共感、信頼感を生み出すことができます。

秘訣5:継続的な改善と検証

デザイン戦略は、一度作ったら終わりではありません。市場環境や顧客のニーズは常に変化しています。

  • 効果測定:ウェブサイトのアクセス解析、広告の反応率、顧客アンケートなどを通じて、デザイン戦略の効果を定期的に測定する
  • フィードバックの収集:顧客や従業員からの意見や感想に耳を傾ける
  • 改善:測定結果やフィードバックに基づき、デザインやメッセージを修正・改善していく

PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回し、常に最適化を図る姿勢が、デザイン戦略の効果を最大化し、持続的な成果に繋げるために不可欠です。

これらの秘訣を意識し、計画的にデザイン戦略に取り組むことで、「考えても考えても伝わらなかったウチらしさ」が、ようやく顧客に響く形で伝わり始めるはずです。

中小零細企業こそ、デザイン戦略を武器に

「デザイン戦略なんて、大手企業がやることで、ウチのような小さな会社には関係ない…」もし、そう思われているとしたら、それは大きな誤解かもしれません。むしろ、リソースが限られている中小零細企業こそ、デザイン戦略を効果的に活用すべきなのです。

限られたリソースを最大限に活かす

中小零細企業は、広告宣伝費やマーケティングにかけられる予算、人員が限られている場合が多いでしょう。だからこそ、一つ一つの施策の効果を最大化する必要があります。デザイン戦略は、散発的な施策を一つに束ね、相乗効果を生み出すための羅針盤となります。一貫したメッセージとデザインによって、少ない予算でもターゲット顧客に効率的にアプローチし、印象に残るブランドイメージを構築することが可能になります。無駄なコストを削減し、投資対効果を高めることができるのです。

大手企業との差別化を図る鍵

価格競争や規模の経済では、大手企業に太刀打ちできない場面もあるかもしれません。しかし、「らしさ」という点においては、中小零細企業ならではの強みを発揮できます。小回りが利くからこその、顧客一人ひとりに寄り添った丁寧な対応、経営者の顔が見えることによる信頼感、地域に根ざした活動、特定の分野における高い専門性など、大手にはない独自の価値を持っているはずです。デザイン戦略によって、これらの「らしさ」を際立たせ、大手とは違う土俵で勝負するための強力な武器とすることができます。

信頼感と専門性の向上

洗練され、一貫性のあるデザインは、それだけで企業に対する信頼感を高めます。「しっかりした会社だな」「プロフェッショナルだな」という印象を与え、製品やサービスの品質に対する期待感を醸成します。特に、ウェブサイトやパンフレットは、顧客が最初に企業に触れる「顔」となることが多いため、そのデザイン品質は非常に重要です。たとえ小規模な企業であっても、デザインに力を入れることで、顧客からの信頼と評価を高めることができます。

従業員のモチベーション向上にも

デザイン戦略は、社外に向けたメッセージであると同時に、社内に向けたメッセージでもあります。自社の「らしさ」が明確になり、それが魅力的なデザインで表現されることで、従業員は自社に対する誇りや愛着を持つようになります。「自分たちはこんな価値を提供しているんだ」「こんな素敵な会社で働いているんだ」という意識が、仕事へのモチベーションを高め、組織の一体感を醸成する効果も期待できます。

中小零細企業にとって、デザイン戦略はコストではなく、未来への投資です。企業の持つポテンシャルを最大限に引き出し、持続的な成長を実現するために、ぜひ積極的に取り組んでいただきたい戦略なのです。

デザイン戦略を始める第一歩:小さなことからでも大丈夫

「デザイン戦略の重要性はわかったけれど、何から手をつければいいのか…」そう感じている方もいらっしゃるかもしれません。難しく考える必要はありません。まずは、できることから一歩を踏み出してみましょう。

1. まずは自社の現状把握から

本記事で触れた「なぜ『らしさ』が伝わりにくいのか?」の項目を参考に、自社の現状を客観的に見つめ直してみましょう。

  • 自社の強みや価値は、明確な言葉になっているか
  • ターゲット顧客は具体的にイメージできているか
  • ウェブサイト、パンフレット、名刺などのデザインに一貫性はあるか
  • 伝えたいメッセージは明確で、シンプルか
  • 競合との違いはどこにあるか

課題が見えてきたら、それがデザイン戦略で解決すべきポイントになります。

2. 専門家の活用も視野に入れる

自社だけで「らしさ」を客観的に捉え、効果的なデザインに落とし込むのは難しい場合もあります。そんな時は、デザインやブランディングの専門家の力を借りることも有効な選択肢です。専門家は、客観的な視点から企業の強みを引き出し、それをターゲットに響く形に翻訳するノウハウを持っています。ヒアリングを通じて、経営者自身も気づいていなかった魅力や課題を発見できることも少なくありません。初期投資は必要になりますが、長期的な視点で見れば、的確な戦略に基づいたデザインは、それ以上の価値を生み出す可能性があります。

3. 小さなことから始めてみる

いきなり全てを変える必要はありません。まずは、最も多くの人の目に触れるもの、あるいは最も課題が大きいと感じる部分から手をつけてみるのが良いでしょう。

  • 名刺のデザインを見直す
  • ウェブサイトのトップページやヘッダー部分を改善する
  • よく使うパンフレットのデザインを統一する
  • SNSアカウントのプロフィールやカバー画像を整備する

小さな成功体験を積み重ねることで、デザイン戦略の効果を実感し、次のステップへと進む意欲に繋がります。

4. 社内で「らしさ」を共有する

デザイン戦略は、経営者や担当者だけが進めるものではありません。定義した「らしさ」やデザインのコンセプトを、社内全体で共有することが重要です。従業員一人ひとりが自社の「らしさ」を理解し、共感することで、日々の業務や顧客対応においても、その「らしさ」が自然と体現されるようになります。

最初の一歩を踏み出すことに、ためらう必要はありません。大切なのは、「ウチらしさを、もっと効果的に伝えたい」という想いです。その想いを原動力に、まずはできることから始めてみてください。

「らしさ」が輝くとき、ビジネスは加速する

考えても考えても伝わらなかった「ウチらしさ」。それは、企業の持つ本来の魅力や価値が、まだ最適な形で表現されていなかっただけかもしれません。

本記事では、「らしさ」が伝わらない原因を探り、それを定義し直し、そして「デザイン戦略」という手法を用いて効果的に伝えていくための秘訣について解説してきました。

デザイン戦略は、単なる見た目の改善ではありません。それは、企業の核となる強みや想いを掘り起こし、ターゲット顧客の心に響くメッセージと形に翻訳し、一貫性を持って届けるための経営戦略そのものです。

特に、リソースが限られがちな中小零細企業にとって、デザイン戦略は、競合との差別化を図り、顧客からの信頼を獲得し、限られた資源を最大限に活用するための強力な武器となり得ます。

「らしさ」を明確に定義し、それを軸とした一貫性のあるデザインを展開することで、顧客は自然と企業の価値を認識し、共感を覚え、そして選ぶ理由を見出すでしょう。それは、ウェブサイトのアクセス数増加、問い合わせ件数の向上、成約率のアップ、そして顧客満足度の向上といった、具体的なビジネスの成果へと繋がっていきます。

さらに、明確になった「らしさ」は、社内に向けてもポジティブな影響を与えます。従業員のエンゲージメントを高め、組織全体が同じ方向を向いて進むための原動力となるのです。

デザイン戦略は、未来への投資です。今日からできる小さな一歩、例えば、自社のウェブサイトやパンフレットを改めて見つめ直すこと、顧客の声に耳を傾けてみること、従業員と「ウチらしさ」について話し合ってみることなどから始めてみてはいかがでしょうか。

皆様の企業の持つ、かけがえのない「らしさ」が、デザイン戦略によってさらに輝きを増し、ビジネスを加速させることを心より願っております。


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