そのデザイン、本当に「普通」で大丈夫ですか?

会社の顔とも言えるロゴマーク、毎日更新するウェブサイト、お客様にお渡しするパンフレットや名刺。これら一つひとつのデザインについて、深く考えたことはありますでしょうか。「特に問題ない」「普通で良い」「デザインにお金をかける余裕はない」もし、そう思われているなら、少し立ち止まって考えていただきたいのです。

あなたの会社が「普通」だと思っているそのデザイン、もしかしたら競合他社からは「凡庸(ぼんよう)」と見られ、『(あの社長どうやら気付いてないな)しめしめ』と影で笑われている可能性があるとしたら、どう感じますか? 笑われているだけならまだしも、その「凡庸さ」が原因で、知らず知らずのうちにブランド価値が低下し、大切な顧客を競合に奪われているとしたら…? これは決して大げさな話ではありません。

逆に、競合相手のデザインが凡庸であるおかげで、自社の洗練されたデザインが際立ち、ブランド価値が向上し、結果的に売上に貢献しているという事実も存在します。デザインは、もはや単なる「見た目」の問題ではなく、企業の競争力を左右する重要な経営戦略の一部なのです。

多くの中小零細企業の経営者様や担当者様は、日々の業務に追われ、デザインの重要性にまでなかなか意識が向かないかもしれません。しかし、「凡庸デザイン」という見えないリスクに気づかないままでいることは、静かに、しかし確実に会社の体力を削いでいく可能性があります。

本記事では、なぜ凡庸デザインが問題なのか、それが企業にどのような損失をもたらすのか、そして、その状況から脱却し、デザインを企業の強みに変えるための具体的な方法について、分かりやすく解説していきます。自社のデザインに少しでも疑問を感じている方、競合との差別化に悩んでいる方、ブランド価値を高めたいと考えている全ての方にとって、この記事が新たな気づきと行動のきっかけとなれば幸いです。

第1章:「凡庸デザイン」とは何か? その特徴と生まれる背景

まず、「凡庸デザイン」とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。明確な定義があるわけではありませんが、一般的に以下のような特徴が見られます。

凡庸デザインの具体的な特徴

  • どこかで見たことがある:オリジナリティがなく、他の多くの企業と似たり寄ったり
  • 印象に残らない:特徴がなく、記憶に留まりにくい
  • 古臭い・時代遅れ:デザインのトレンドや技術の変化に対応できていない
  • ターゲットに響かない:本来届けたい顧客層の感性や価値観とズレている
  • 情報が伝わりにくい:デザイン優先で分かりやすさや使いやすさが考慮されていない、またはその逆で単に情報を並べただけ
  • 安っぽい・素人っぽい:品質や信頼性に疑問符がつくような仕上がり
  • ブランドイメージと一致しない:企業の理念や提供価値がデザインに反映されていない

これらの特徴を持つデザインは、残念ながら顧客の心を掴むことは難しく、むしろネガティブな印象を与えてしまう可能性すらあります。

なぜ凡庸デザインは生まれてしまうのか?

では、なぜ多くの企業で凡庸デザインが採用されてしまうのでしょうか。その背景には、中小零細企業特有の事情も含め、いくつかの要因が考えられます。

  • コスト意識の偏り:デザインを単なる「費用」と捉え、できるだけ安く済ませようとする意識が働く:結果的に品質の低いデザインになる
  • 時間的制約:他の業務が優先され、デザインに十分な時間と手間をかけられない:間に合わせのデザインになりがち
  • 専門知識の不足:社内にデザインの専門家がおらず、経営者や担当者の好み、あるいは無料テンプレートなどで安易に決めてしまう
  • 経営層の無関心:「デザインは見た目の問題」という認識が根強く、経営戦略としての重要性が理解されていない
  • 「普通で良い」という誤解:目立つ必要はない、無難が一番、という考えが、結果的に埋没するデザインを生む
  • 成功体験の欠如:過去にデザイン投資で成功した経験がなく、その効果を実感できていない
  • 現状維持バイアス:「これまで問題なかったから」と、変化を恐れ、既存のデザインを見直そうとしない

これらの要因が複合的に絡み合い、結果として「どこにでもある」「印象に残らない」凡庸なデザインが量産されてしまうのです。しかし、この「普通で良い」という考え方こそが、企業の成長を妨げる大きな落とし穴となり得ます。

第2章:見えない損失:凡庸デザインがもたらす深刻なリスク

「デザインが悪くても、商品やサービスが良ければ問題ない」そう考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現代の市場において、デザインは単なる装飾ではなく、企業の価値を伝え、顧客との関係を築く上で極めて重要な役割を担っています。凡庸デザインを放置することは、目に見えにくいながらも、確実に企業に損失をもたらします。

1. ブランドイメージの低下

デザインは、顧客が企業に最初に触れる「顔」です。凡庸なデザインは、「安っぽい」「信頼できない」「時代遅れ」「センスがない」といったネガティブな印象を与えかねません。どんなに高品質な商品やサービスを提供していても、デザインが悪ければ、その価値が正しく伝わらず、ブランド全体のイメージダウンにつながってしまいます。

想像してみてください。最新技術を駆使した製品を扱っているのに、ウェブサイトのデザインが10年前のままだったら? あるいは、高級感を打ち出したいレストランのメニューが、素人感漂う手作り風だったら? 顧客は無意識のうちに、そのギャップに違和感を覚え、期待値を下げてしまうでしょう。

2. 競合との差別化失敗

市場にモノやサービスが溢れる現代において、競合他社との差別化は企業の生存に不可欠です。デザインは、企業の独自性や個性を視覚的に伝え、他社との違いを明確にするための強力なツールです。

しかし、凡庸なデザインでは、その他大勢の中に埋もれてしまい、顧客に自社を選んでもらう理由を提示できません。「どこも同じように見える」と感じさせてしまえば、顧客はより安い価格や利便性の高い方へと流れてしまいます。結果として、不毛な価格競争に巻き込まれ、利益率を圧迫することにもなりかねません。

3. 顧客獲得機会の損失と顧客離れ

魅力的なデザインは、顧客の注意を引きつけ、興味を持たせるきっかけとなります。ウェブサイトが見づらい、パンフレットが分かりにくい、パッケージに魅力がない… こうした凡庸デザインは、潜在顧客との最初の接点で、すでに機会損失を生んでいます

また、既存顧客に対しても、凡庸なデザインは「大切にされていない」というメッセージを発信してしまう可能性があります。より洗練されたデザインを持つ競合他社が登場すれば、顧客はより魅力的な方へと簡単に乗り換えてしまうかもしれません。デザインは、顧客との長期的な関係を築く上でも無視できない要素なのです。

4. 従業員のモチベーション低下

意外かもしれませんが、デザインは社内にも影響を与えます。従業員は、自社の商品やサービス、そしてブランドに誇りを持って働きたいと考えています。しかし、自社のロゴやウェブサイト、制作物が凡庸で魅力に欠けると感じている場合、「自分たちの会社は、あまり外部への見せ方を気にしていないのかもしれない」「ブランドを大切にしていないのでは?」と感じ、仕事への誇りやモチベーションが低下する可能性があります。

魅力的なデザインは、インナーブランディング(社内向けのブランド構築)にも寄与し、従業員のエンゲージメントを高める効果も期待できるのです。

5. 見えないコストの増大

分かりにくいデザインは、顧客からの問い合わせ増加につながり、サポートコストを増大させます。また、効果の低い広告デザインに費用をかけ続けることは、広告費の無駄遣いです。デザインを見直すことで、コミュニケーションが円滑になり、結果的に様々なコスト削減につながるケースも少なくありません。

このように、凡庸デザインは単なる「見た目」の問題ではなく、ブランドイメージ、競争力、顧客関係、従業員の士気、そしてコスト効率といった、企業の根幹に関わる様々な側面に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

第3章:なぜ経営者は「凡庸さ」に気づけないのか?

これほど多くのリスクを内包しているにも関わらず、なぜ多くの経営者や担当者は自社のデザインの「凡庸さ」に気づけないのでしょうか。そこにはいくつかの心理的な壁や、認識のズレが存在します。

1. 「見慣れ」による感覚の麻痺

人間は、毎日見ているものに対して、次第に感覚が麻痺していく傾向があります。自社のロゴやウェブサイト、パンフレットなどは、長年使っているとそれが「当たり前」になり、客観的な視点を失いがちです。「特に問題ない」「これで十分」と感じてしまうのは、この「見慣れ」が原因であることが少なくありません。しかし、初めてそれを見る顧客にとっては、新鮮な(あるいは古臭い)印象を与えるのです。

2. デザインの効果を軽視・誤解している

「デザインなんて、しょせん見た目の問題だろう」「売上には直接関係ない」と考えている経営者もいまだに存在します。デザインがブランドイメージ形成や顧客の購買意欲に与える影響を過小評価している、あるいは、その効果を具体的にイメージできていないのです。また、デザインの効果は数値化しにくい、という思い込みも、投資をためらわせる一因となっています。しかし、実際には、ウェブサイトのコンバージョン率改善や、ブランディング効果による顧客単価向上など、測定可能な指標も存在します。

3. 日々の業務に追われ、優先順位が低い

中小零細企業の経営者は、資金繰り、人材確保、営業活動など、多岐にわたる業務に日々追われています。その中で、デザインの見直しは緊急性の低い課題と捉えられがちで、後回しにされてしまうケースが後を絶ちません。「時間がある時に」「お金に余裕ができたら」と考えているうちに、どんどん時代遅れのデザインになってしまうのです。

4. 経営者自身のデザインへの関心の低さ

経営者自身がデザインに対してあまり関心がない、あるいは美的センスに自信がない場合、デザインに関する意思決定を避けたり、担当者に丸投げしたりしがちです。また、自身の好みや古い成功体験に基づいて判断してしまい、客観的な視点や市場のトレンドを無視したデザインを選択してしまうこともあります。

5. 「変化」への抵抗感

長年親しんできたデザインを変更することに対して、心理的な抵抗を感じる場合があります。「顧客が混乱するのではないか」「今のデザインに愛着がある従業員もいる」といった懸念から、現状維持を選んでしまうのです。しかし、時代や市場の変化に合わせてデザインを進化させることは、企業が成長し続けるために必要なプロセスです。

これらの要因により、経営者は自社のデザインが「凡庸」であるという事実に気づかず、あるいは気づいていても行動に移せない状況に陥ってしまうのです。しかし、この「気づかない」状態が、静かに企業の競争力を蝕んでいきます。

第4章:競合はあなたの会社のデザインをどう見ているか?

「競合から影で笑われているかも」という表現は、少し刺激的だったかもしれません。しかし、これは決して脅しや煽りではなく、デザインが持つ競争優位性という側面を理解していただくための問いかけです。

競合の視点:「ありがたい」存在?

もし、あなたの会社のデザインが凡庸で、ブランドイメージが曖昧であれば、競合他社にとってはどのような存在に見えるでしょうか? 正直なところ、「差別化しやすい、ありがたい存在」と見られている可能性があります。

競合が、洗練されたデザインで明確なブランドメッセージを発信している場合、あなたの会社の凡庸なデザインは、その対比効果によって、競合のブランド価値をより一層引き立てる「引き立て役」になってしまっているかもしれません。顧客は、無意識のうちに両者を比較し、「あちらの会社の方が信頼できそうだ」「センスが良い」と感じ、結果的に競合に流れてしまうのです。

つまり、あなたの会社の凡庸デザインは、競合他社のマーケティング活動を、間接的に支援してしまっているとも言えるのです。これは、経営者として看過できない事態ではないでしょうか。

競合の凡庸さが、自社のチャンスになることも

一方で、視点を変えれば、競合他社のデザインが凡庸であることは、自社にとって大きなチャンスとなり得ます。もし、競合がデザインに無頓着で、古臭く魅力のないウェブサイトや販促物を使用しているのであれば、自社が戦略的にデザインに投資することで、圧倒的な優位性を築くことができます。

洗練されたデザイン、明確なブランドコンセプト、分かりやすく使いやすいインターフェース。これらを武器にすることで、顧客に対して「選ばれる理由」を明確に提示し、市場におけるリーダーシップを確立することも可能です。競合の「凡庸さ」は、自社の「非凡さ」を際立たせるための、またとない好機なのです。

重要なのは、自社のデザインを客観的に評価し、競合との比較において、自社がどのようなポジションにあるのかを正確に把握することです。そして、もし自社が「凡庸」の側にいるのであれば、一刻も早くその状況から脱却するための行動を起こす必要があります。

第5章:デザインがもたらす真の価値:見た目以上の影響力

では、凡庸デザインから脱却し、優れたデザインを採用することで、企業は具体的にどのような価値を得られるのでしょうか。デザインは、単なる「お化粧」ではなく、ビジネスの成長に貢献する様々な力を持っています。

1. 第一印象を劇的に向上させる

人は見た目が9割、という言葉がありますが、企業や商品・サービスにおいても第一印象は極めて重要です。洗練されたロゴ、魅力的なウェブサイト、美しいパンフレットは、一瞬で顧客の心を掴み、「信頼できそう」「品質が高そう」「センスが良い」といったポジティブな印象を与えます。この最初の好印象は、その後のコミュニケーションや購買プロセスにおいて、大きなアドバンテージとなります。

2. ブランドストーリーと価値観を伝える

優れたデザインは、言葉だけでは伝えきれない企業の理念、ビジョン、独自の価値観(ブランドストーリー)を視覚的に表現します。色使い、書体、写真、レイアウトなど、デザインの要素一つひとつがメッセージとなり、顧客の感性に訴えかけ、共感や愛着を生み出します。これにより、単なる商品・サービスの提供者ではなく、価値観を共有できるパートナーとしてのブランドイメージを構築できます。

3. ターゲット顧客への訴求力を高める

デザインは、ターゲットとする顧客層に合わせて最適化することで、その効果を最大限に発揮します。若者向けならポップで斬新なデザイン、富裕層向けなら高級感と信頼性を感じさせるデザイン、といったように、ターゲットの心に響く「言葉」を使わずとも、デザインで語りかけることができます。これにより、メッセージの伝達効率が高まり、より深いエンゲージメントを築くことが可能になります。

4. 情報伝達を効率化し、顧客体験を高める

ウェブサイトやアプリの使いやすさ(ユーザビリティ)、パンフレットや資料の分かりやすさ(情報設計)も、デザインの重要な役割です。情報が整理され、直感的に理解・操作できるデザインは、顧客のストレスを軽減し、満足度を高めます。これは、顧客体験(CX)の向上に直結し、リピート率や口コミによる新規顧客獲得にも貢献します。

5. 価格競争からの脱却を後押しする

デザインによってブランド価値が高まると、顧客は単に「安いから」という理由だけでなく、「このブランドが好きだから」「信頼できるから」という理由で選ぶようになります。これにより、他社との不毛な価格競争から一歩抜け出し、適正な価格で商品やサービスを提供することが可能になります。デザインは、企業の収益性を改善するための重要な武器となり得るのです。

6. 従業員のエンゲージメントと誇りを醸成する

前述の通り、優れたデザインはインナーブランディングにも効果を発揮します。従業員が自社のブランドに誇りを持ち、その一員であることに喜びを感じるようになれば、仕事へのモチベーションや生産性が向上し、組織全体の活性化につながります。また、採用活動においても、魅力的なブランドイメージは優秀な人材を引きつける力となります。

このように、デザインへの投資は、見た目を良くするだけでなく、企業のブランド価値、競争力、収益性、そして組織力といった、多岐にわたる側面に対してポジティブな影響を与える、極めて戦略的な取り組みなのです。

第6章:凡庸デザインから脱却するための具体的なステップ

では、実際に凡庸デザインから脱却し、デザインを企業の強みに変えていくためには、何をすれば良いのでしょうか。ここでは、具体的なステップと考え方をご紹介します。

ステップ1:現状認識と課題の明確化

まずは、自社のデザインの現状を客観的に把握することから始めます。

  • 自社のデザイン資産の棚卸し:ロゴ、ウェブサイト、名刺、パンフレット、パッケージ、広告物など、顧客の目に触れる全てのデザイン要素をリストアップする
  • 客観的な評価:それぞれのデザイン要素について、「古臭くないか」「ブランドイメージと合っているか」「ターゲットに響くか」「分かりやすいか」といった視点で評価する:可能であれば、社外の意見も取り入れる
  • 競合他社のデザイン分析:主要な競合他社のウェブサイトや販促物などを調査し、デザインの傾向、強み、弱みを分析する:自社との違いを明確にする
  • 顧客・従業員の声の収集:アンケートやヒアリングを通じて、自社のデザインに対する印象や意見を集める:意外な課題や改善点が見つかることがある

このステップを通じて、「何が問題なのか」「どこを改善すべきなのか」という具体的な課題を明確にします。

ステップ2:目的とターゲットの再設定

次に、デザインを通じて何を達成したいのか、誰に届けたいのかを明確にします。

  • デザイン改善の目的設定:「ブランドイメージを向上させたい」「ウェブサイトからの問い合わせを増やしたい」「若年層の顧客を獲得したい」など、具体的な目標を設定する
  • ターゲット顧客のペルソナ設定:年齢、性別、職業、ライフスタイル、価値観、ニーズなど、理想的な顧客像を具体的に描き出す:デザインの方向性を定める上で重要な指針となる

目的とターゲットが明確になることで、デザインの方向性が定まり、より効果的なデザイン戦略を立てることができます。

ステップ3:ブランドコンセプトの再定義・明確化

デザインは、ブランドが持つ本質的な価値を視覚的に表現するものです。そのため、デザインに着手する前に、自社のブランドコンセプトを再確認、あるいは再定義する必要があります。

  • 自社の強み・独自性の言語化:競合にはない、自社ならではの価値は何かを明確な言葉で表現する
  • 伝えたい世界観・イメージの具体化:顧客にどのような感情を抱かせたいか、どのようなイメージを持ってもらいたいかを具体的に考える:「信頼感」「先進性」「親しみやすさ」「高級感」など
  • ブランドストーリーの構築:企業の成り立ち、理念、顧客への想いなどを物語として整理し、デザインで表現すべき核となるメッセージを定める

ここで明確になったブランドコンセプトが、ロゴマーク、色使い、書体、写真のテイストなど、具体的なデザイン要素を決定する際の拠り所となります。

ステップ4:プロフェッショナルの活用

デザインは専門的な知識とスキルが要求される分野です。自社だけで解決しようとせず、外部のプロフェッショナルの力を借りることを検討しましょう。

  • デザイナーやデザイン会社への相談:実績や得意分野、コミュニケーションの相性などを考慮し、信頼できるパートナーを選ぶ:複数の候補から話を聞き、比較検討することが重要
  • マーケティング専門家との連携:デザインだけでなく、マーケティング戦略全体の中でデザインをどう位置づけるか、という視点も重要:必要に応じてマーケターの意見も取り入れる
  • 明確なオリエンテーション:ステップ2、3で明確にした目的、ターゲット、ブランドコンセプトをデザイナーに正確に伝える:認識のズレを防ぎ、効果的なデザインを生み出すための鍵となる

プロに依頼することはコストがかかりますが、長期的な視点で見れば、質の高いデザインが生み出す価値は、そのコストを上回る可能性が高いと言えます。

ステップ5:デザインを「投資」と捉える意識改革

デザインにかかる費用を、単なる「コスト(経費)」ではなく、「未来への投資」と捉える意識改革が重要です。優れたデザインは、ブランド価値を高め、顧客を引きつけ、競争優位性を確立し、結果的に企業の成長と収益向上に貢献します。短期的な費用対効果だけでなく、長期的な視点でデザインの価値を評価することが求められます。

ステップ6:継続的な改善と一貫性の維持

デザインは一度作ったら終わりではありません。市場環境や顧客のニーズは常に変化しています。

  • 効果測定とフィードバック:ウェブサイトのアクセス解析、顧客アンケートなどを通じて、デザイン変更後の効果を測定し、改善点を見つける
  • 定期的な見直しとアップデート:必要に応じてデザインを微調整したり、リニューアルしたりすることで、常に新鮮で魅力的な状態を保つ
  • デザインガイドラインの作成・運用:ロゴの使用ルール、色、書体などを定めたガイドラインを作成し、社内外で共有する:全てのデザイン制作物において、ブランドイメージの一貫性を保つために不可欠

これらのステップを着実に実行することで、凡庸デザインから脱却し、デザインを企業の持続的な成長を支える強力な武器へと変えることができるのです。

今こそ、デザインを見直す時

あなたの会社のデザインは、企業の価値を正しく伝え、顧客を魅了し、競合との差別化を図る力を持っているでしょうか。それとも、知らず知らずのうちにブランドイメージを損ない、ビジネスチャンスを逃す「凡庸デザイン」に陥ってはいないでしょうか。

多くの場合、デザインの問題は、日々の忙しさの中で見過ごされがちです。しかし、本記事で解説してきたように、凡庸デザインがもたらすリスクは決して小さくありません。それは、静かに、しかし確実に企業の競争力を蝕んでいきます。

一方で、優れたデザインは、見た目の美しさだけでなく、ブランド価値の向上、顧客との良好な関係構築、そして最終的には企業の収益増加にまで貢献する、強力な経営資源となり得ます。

今こそ、自社のデザインと真剣に向き合うべき時です。まずは、現状を客観的に把握し、課題を明確にすることから始めてみてください。そして、デザインを単なるコストではなく、未来への戦略的な投資と捉え、プロフェッショナルの力も借りながら、凡庸デザインからの脱却を目指しましょう。

競合から影で笑われるのではなく、顧客から選ばれ、従業員が誇りを持てる。そんな魅力的なブランドを築くために、デザインの力を最大限に活用しませんか? デザインを見直すという決断が、あなたの会社の未来をより明るく照らす、大きな一歩となるはずです。


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