なぜ中小企業にSEO対策が必要なのか?

ホームページは単なる「会社の顔」としての役割だけでなく、重要な「集客ツール」としての役割を担っています。特に、広告予算が限られている中小企業にとって、検索エンジンからの自然な流入(オーガニック検索)を増やすSEO対策は、費用対効果の高いマーケティング手法として注目されています。

しかし、「SEO対策」と聞くと、「専門的で難しそう」「何から手をつければ良いか分からない」と感じる経営者の方や担当者の方も多いのではないでしょうか。確かに、SEOの世界は変化が激しく、専門的な知識が求められる場面もあります。

ですが、ご安心ください。基本的なSEO対策の考え方を理解し、地道にコツコツと取り組むことで、中小企業でも十分に成果を出すことが可能です。このブログ記事では、中小企業の皆様がまず取り組むべき、ホームページの基本的なSEO対策について、分かりやすく解説していきます。難しい専門用語はできるだけ避け、具体的なステップに沿ってご紹介しますので、ぜひ最後までお読みいただき、自社のホームページ改善にお役立てください。

SEO対策の目的は、単に検索順位を上げることだけではありません。最終的な目標は、自社のホームページを通じて、見込み顧客との出会いを創出し、ビジネスの成長につなげることです。そのために、検索エンジン(主にGoogle)に自社のホームページの内容を正しく理解してもらい、検索ユーザー(=未来のお客様)が求める情報を提供していると評価される必要があります。

この記事を通じて、SEO対策への第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

第一歩:SEO対策の基本となる「キーワード選定」

SEO対策を進める上で、最も重要と言っても過言ではないのが「キーワード選定」です。キーワードとは、ユーザーがGoogleなどの検索エンジンで情報を探す際に入力する言葉のことです。

自社のターゲット顧客が、どのような言葉で検索しているのかを理解し、そのキーワードで上位表示を目指すことが、SEO対策の基本的な戦略となります。適切なキーワードを選定できなければ、どんなに優れたコンテンツを作成しても、届けたい相手に情報が届かない可能性があります。

ターゲット顧客を深く理解する

キーワード選定の第一歩は、自社のターゲット顧客を深く理解することから始まります。

  • どのような悩みや課題を抱えているか
  • どのような情報を求めているか
  • どのような言葉で検索するか
  • 自社の提供する商品やサービスは、顧客のどのようなニーズを満たすのか

これらの問いについて、社内でじっくりと議論し、顧客像(ペルソナ)を具体的に描いてみましょう。顧客の立場に立って考えることが、効果的なキーワードを見つけるための鍵となります。

例えば、地域密着型の工務店であれば、「〇〇市 新築一戸建て」「〇〇駅 リフォーム おすすめ」「地震に強い家 費用」といったキーワードが考えられます。製造業であれば、製品名だけでなく、「〇〇加工 技術」「〇〇部品 メーカー」「〇〇 課題解決 事例」といった、より具体的なニーズに基づいたキーワードも有効でしょう。

キーワードの種類を理解する

キーワードには、検索ボリューム(月間検索回数)や検索意図によって、いくつかの種類があります。

  • ビッグキーワード:検索ボリュームが大きい一般的なキーワード(例:「リフォーム」「ホームページ制作」)。競合が多く、上位表示の難易度が高い。
  • ミドルキーワード:地域名や特定の要素を組み合わせたキーワード(例:「横浜市 リフォーム キッチン」「中小企業向け ホームページ制作」)。ビッグキーワードより具体的で、成約に繋がりやすい傾向がある。
  • スモールキーワード(ロングテールキーワード):さらに具体的な、複数の単語を組み合わせたキーワード(例:「横浜市 戸建て キッチンリフォーム 費用 相場」「製造業向け ホームページ制作 集客」)。検索ボリュームは小さいが、検索意図が明確で、非常に成約率が高い傾向がある。中小企業が狙うべき重要なキーワード。

中小企業の場合、最初からビッグキーワードを狙うのではなく、まずはミドルキーワードやスモールキーワードで着実に上位表示を目指す戦略が有効です。これらのキーワードで成果を積み重ねることで、サイト全体の評価が高まり、将来的にはビッグキーワードでの上位表示も視野に入ってきます。

キーワード調査ツールを活用する

ターゲット顧客やキーワードの種類を理解したら、実際にキーワード調査ツールを活用して、具体的なキーワード候補を洗い出しましょう。

  • Googleキーワードプランナー:Google広告のアカウントがあれば無料で利用できる。関連キーワードや検索ボリュームの目安を調査可能。
  • Googleサジェスト:Google検索窓にキーワードを入力した際に表示される候補。ユーザーが実際によく検索している組み合わせが分かる。
  • ラッコキーワード:サジェストキーワードや関連キーワードを効率的に調査できるツール。無料プランでも十分に活用できる。
  • Ubersuggest:キーワード調査だけでなく、競合サイトの分析なども行える多機能ツール。

これらのツールを使って、様々な角度からキーワード候補をリストアップします。その際、「自社の強み」「提供できる価値」「顧客の課題解決」といった視点を常に意識することが大切です。

選定したキーワードを整理・分類する

洗い出したキーワード候補は、Excelやスプレッドシートなどにまとめ、整理・分類しましょう。

  • キーワード
  • 月間検索ボリューム(目安)
  • 想定される検索意図(情報収集、比較検討、購入など)
  • 対策するコンテンツ(どのページでこのキーワードを狙うか)
  • 競合状況
  • 対策優先度

このように整理することで、どのキーワードから対策していくべきか、どのようなコンテンツを作成すべきかの計画が立てやすくなります。

キーワード選定は一度行ったら終わりではありません。市場の変化、顧客ニーズの変化、競合の動向などを踏まえ、定期的に見直し、改善していくことが重要です。

第二の柱:「コンテンツSEO」で質の高い情報を提供する

適切なキーワードを選定したら、次はそのキーワードで検索するユーザーの疑問や悩みに応える「質の高いコンテンツ」を作成していく段階です。これを「コンテンツSEO」と呼びます。

現在のGoogleは、ユーザーにとって価値のある、独自性の高いコンテンツを非常に高く評価します。単にキーワードを詰め込んだだけの低品質なコンテンツは、もはや通用しません。

ユーザーの検索意図を深く理解する

コンテンツを作成する上で最も重要なのは、選定したキーワードの裏にある「ユーザーの検索意図」を深く理解することです。ユーザーはなぜそのキーワードで検索したのか? 何を知りたいのか? どのような情報を得られれば満足するのか?

例えば、「リフォーム 費用 相場」で検索するユーザーは、単に金額を知りたいだけでなく、費用の内訳、安く抑える方法、信頼できる業者の選び方など、様々な情報を求めている可能性があります。これらの潜在的なニーズまで汲み取り、網羅的で分かりやすい情報を提供することが求められます。

検索意図を理解するためには、以下の方法が有効です。

  • 実際にそのキーワードで検索してみる:上位表示されているサイトがどのような情報を提供しているかを確認する。
  • Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトを見る:ユーザーの具体的な悩みや疑問を知るヒントが得られる。
  • サジェストキーワードや関連キーワードを参考にする:ユーザーが他にどのような言葉で検索しているかを知る。
  • 自社の顧客に直接ヒアリングする:実際の顧客の声は、最も貴重な情報源。

独自性のある、価値の高いコンテンツを作成する

検索意図を理解したら、いよいよコンテンツ作成です。以下の点を意識して、質の高いコンテンツを目指しましょう。

  • 専門性と権威性:自社の持つ専門知識や経験に基づいた、信頼できる情報を提供する。事例や実績を交えると、より説得力が増す。
  • 網羅性:ユーザーが求める情報を網羅的に含み、そのページだけで疑問や悩みが解決できるように努める。
  • 分かりやすさ:専門用語を使いすぎず、平易な言葉で解説する。図や表、箇条書きなどを活用し、視覚的にも分かりやすく構成する。
  • 独自性:他のサイトにはない、自社ならではの視点や切り口、情報を盛り込む。単なる情報の寄せ集めではなく、独自の価値を提供する。
  • 読みやすさ:適切な見出し設定、段落分け、改行を行い、ストレスなく読み進められるように配慮する。スマートフォでの閲覧も意識し、文字サイズや行間にも注意する。

コンテンツの形式は、ブログ記事だけでなく、導入事例、お客様の声、お役立ち資料(ホワイトペーパー)、動画など、様々です。キーワードの検索意図やターゲット顧客に合わせて、最適な形式を選びましょう。

定期的な更新とリライトで鮮度を保つ

一度作成したコンテンツも、時間の経過とともに情報が古くなったり、ユーザーのニーズが変化したりすることがあります。そのため、定期的に内容を見直し、最新の情報に更新したり、より分かりやすく改善したりする「リライト」作業が重要です。

GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールといったツールを活用し、各コンテンツのパフォーマンス(表示回数、クリック率、滞在時間など)を分析することで、どのコンテンツを優先的にリライトすべきかの判断材料になります。

質の高いコンテンツを作成し、継続的に改善していくことは、時間と労力がかかる作業です。しかし、ユーザーからの信頼を得て、長期的な集客資産を築くためには、最も重要な取り組みと言えるでしょう。

第三の要:「内部対策」で検索エンジンに分かりやすく伝える

キーワードを選定し、質の高いコンテンツを作成しても、その情報が検索エンジンに正しく伝わらなければ、適切な評価を受けることができません。そこで重要になるのが「内部対策」です。

内部対策とは、自社のホームページの構造や記述を最適化し、検索エンジンがサイトの内容を理解しやすく(クロールしやすく、インデックスしやすく)するための施策全般を指します。技術的な要素も含まれますが、基本的なポイントを押さえれば、専門家でなくても取り組める部分が多くあります。

タイトルタグ(titleタグ)の最適化

タイトルタグは、検索結果画面に表示されるページのタイトルであり、ブラウザのタブにも表示されます。ユーザーがクリックするかどうかを判断する重要な要素であり、検索エンジンもページの内容を理解する上で重視しています。

  • 対策キーワードを含める:最も重要なキーワードは、できるだけタイトルの前半に含める。
  • 具体的で分かりやすいタイトルにする:ページの内容が一目で理解できるように記述する。
  • 適切な文字数にする:検索結果に表示される文字数(通常30文字前後)を意識し、長すぎないようにする。
  • 各ページで固有のタイトルを設定する:サイト内でタイトルが重複しないように注意する。
  • クリックしたくなる魅力的なタイトルにする:ユーザーの興味を引くような工夫も有効。

メタディスクリプション(meta description)の最適化

メタディスクリプションは、検索結果画面のタイトルの下に表示されるページの概要文です。検索順位に直接的な影響はないとされていますが、ユーザーのクリック率(CTR)に大きく影響するため、非常に重要です。

  • ページの要約を分かりやすく記述する:ユーザーが「この記事を読みたい」と思えるように、内容を簡潔にまとめる。
  • 対策キーワードを含める:検索キーワードと一致する語句は太字で表示されるため、ユーザーの目に留まりやすくなる。
  • 適切な文字数にする:スマートフォンでの表示も考慮し、100文字~120文字程度を目安にする。長すぎると途中で省略される。
  • 各ページで固有の内容を設定する:タイトルタグ同様、重複は避ける。
  • 行動を促す言葉(CTA)を含めることも検討する:「詳しくはこちら」「無料相談」など。

見出しタグ(hタグ)の適切な使用

見出しタグ(h1, h2, h3…)は、文章の構造を検索エンジンとユーザーに分かりやすく伝えるためのタグです。<h1>タグはそのページの最も重要な主題を示し、<h2>、<h3>と数字が大きくなるにつれて、より細かいトピックを示します。

  • <h1>タグは各ページに1つだけ使用する:ページの主題を表す最も重要な見出し。タイトルタグと近い内容になることが多い。
  • 見出しタグを階層構造で正しく使用する:<h2>の次に<h3>、その次に<h4>というように、順番を守って使う。
  • 見出しを見ただけで内容が推測できるように記述する:ユーザーが目的の情報を見つけやすくなる。
  • 見出しに対策キーワードを自然に含める:キーワードの詰め込みすぎは避ける。

適切に見出しタグを使うことで、検索エンジンがコンテンツの構成や重要度を理解しやすくなり、ユーザーにとっても読みやすい文章になります。

内部リンクの最適化

内部リンクとは、自社サイト内のページ同士をつなぐリンクのことです。関連性の高いページ同士を内部リンクで結びつけることで、以下の効果が期待できます。

  • ユーザーの回遊性向上:関連情報へスムーズに移動でき、サイト滞在時間の増加につながる。
  • 検索エンジンのクロール促進:サイト内のページを効率的に発見・巡回(クロール)しやすくなる。
  • 重要なページの評価向上:多くの内部リンクが集まるページは、サイト内で重要度が高いと認識されやすくなる。

関連性の高いコンテンツ同士を、分かりやすいアンカーテキスト(リンク部分のテキスト)でつなぐことを意識しましょう。「詳しくはこちら」だけでなく、「〇〇の費用についてはこちら」のように、リンク先のページ内容が分かるテキストにすると、より効果的です。

画像最適化(alt属性の設定)

ホームページで使用する画像も、SEOの観点から最適化が必要です。特に重要なのが「alt属性(代替テキスト)」の設定です。alt属性は、画像が表示されない場合や、スクリーンリーダー(視覚障碍者向けの読み上げソフト)を使用しているユーザーに対して、画像の内容を伝えるためのテキストです。

  • 画像の内容を具体的かつ簡潔に記述する:どのような画像なのかが分かるように説明する。
  • 関連するキーワードを自然に含めることも有効:ただし、キーワードの詰め込みは避ける。
  • 全ての画像に設定する:特に意味を持たない装飾的な画像には、空のalt属性(alt=””)を設定する。

alt属性を適切に設定することで、検索エンジンが画像の内容を理解する手助けとなり、画像検索からの流入も期待できます。また、ファイルサイズを圧縮して画像の読み込み速度を改善することも、ユーザー体験向上とSEOの両面で重要です。

モバイルフレンドリー対応

現在、多くのユーザーがスマートフォンからインターネットを利用しています。そのため、ホームページがスマートフォンでも快適に閲覧・操作できるように最適化されていること(モバイルフレンドリー)は、SEOにおいて必須条件となっています。Googleもモバイルフレンドリーであることを検索順位の決定要因の一つとしています。

  • レスポンシブデザインの採用:画面サイズに応じてレイアウトが自動的に最適化されるデザイン。
  • 文字サイズやボタンの大きさが適切か確認:タップしやすいか、文字が小さすぎないか。
  • 表示速度の確認:モバイル環境でもストレスなく表示されるか。

Googleの「モバイルフレンドリーテスト」ツールを使えば、簡単に自分のサイトがモバイルフレンドリーかどうかを確認できます。

これらの内部対策は、一度設定すれば終わりというものではなく、新しいページを追加したり、サイトをリニューアルしたりする際に、常に意識して行う必要があります。地道な作業ですが、SEOの土台を固める上で欠かせない要素です。

第四の要素:「外部対策」でサイトの信頼性を高める

外部対策とは、主に他のウェブサイトから自社のホームページへのリンク(被リンク、バックリンク)を獲得するための施策を指します。他のサイトから多くのリンクを獲得しているサイトは、それだけ多くのサイトから「参照されている」「信頼されている」と検索エンジンに評価され、検索順位に良い影響を与える可能性があります。

ただし、現在のSEOでは、リンクの「量」よりも「質」が重視されます。質の低いサイトからの大量のリンクや、作為的なリンク(購入したリンク、相互リンクプログラムなど)は、ペナルティの対象となり、逆効果になる可能性が高いです。

質の高い被リンクとは?

検索エンジンが高く評価する「質の高い被リンク」とは、以下のようなリンクです。

  • 関連性の高いサイトからのリンク:自社の事業内容やコンテンツと関連性の高いテーマを扱っているサイトからのリンク。
  • 権威性のあるサイトからのリンク:公的機関、業界団体、有名なメディアなど、信頼性の高いサイトからのリンク。
  • ユーザーにとって自然で役立つリンク:コンテンツの流れの中で、自然な形で参照されているリンク。
  • 多様なサイトからのリンク:特定のサイトからだけでなく、様々な種類のサイトからバランス良くリンクされている状態。

自然な被リンクを獲得するための考え方

では、どのようにして質の高い被リンクを獲得すれば良いのでしょうか? 重要なのは、作為的なリンク獲得を目指すのではなく、自然にリンクが集まるような取り組みを行うことです。そのための最も効果的な方法は、やはり「質の高いコンテンツを作成し、発信し続けること」です。

  • 役立つ情報の発信:ユーザーの疑問や悩みを解決する、価値のあるコンテンツを作成する。そのようなコンテンツは、他のサイト運営者やブロガーによって自然に参照・紹介されやすくなる。
  • 独自性の高いコンテンツ:他にはない独自の調査データ、分析、ノウハウなどを公開する。引用元としてリンクされる可能性が高まる。
  • 業界内での関係構築:セミナーや交流会などを通じて、同業者や関連企業との良好な関係を築く。自然な形で紹介やリンクにつながることがある。
  • プレスリリースの活用:新商品や新サービス、イベントなどの情報をプレスリリースとして配信する。ニュースサイトなどに取り上げられれば、質の高い被リンク獲得につながる。
  • SNSでの情報発信:作成したコンテンツをSNSで積極的に共有し、多くの人の目に触れる機会を作る。

外部対策は、内部対策やコンテンツSEOと比べて、コントロールが難しい側面があります。しかし、良質なコンテンツという「種」を蒔き続けることで、時間をかけて自然な被リンクという「果実」が実るという考え方で、地道に取り組むことが大切です。焦って不正な手段に手を出すことは絶対に避けましょう。

地域密着型ビジネスに必須:「ローカルSEO(MEO)」

店舗や事業所を持ち、特定の地域でビジネスを展開している中小企業にとって、通常のSEO対策と並行して非常に重要になるのが「ローカルSEO」です。ローカルSEOは、MEO(Map Engine Optimization)とも呼ばれ、Googleマップなどの地図検索結果で上位表示を目指すための対策を指します。

「〇〇市 ラーメン」「近くの クリーニング店」のように、「地域名+キーワード」や「近くの+キーワード」で検索された際に、自社の店舗情報が上位に表示されれば、来店や問い合わせに直結する可能性が非常に高くなります。

Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の最適化

ローカルSEOの中心となるのが、「Googleビジネスプロフィール」です。これは、Google検索やGoogleマップ上に表示される自社のビジネス情報を管理するための無料ツールです。この情報を正確かつ充実させることが、ローカルSEOの第一歩となります。

  • 正確な基本情報の登録:店名、住所、電話番号(NAP情報と呼ばれる)を正確に、かつ他の媒体(ホームページ、SNSなど)と統一して登録する。これが最も重要。
  • カテゴリの設定:自社のビジネスに最も適したカテゴリを選択する。複数設定可能。
  • 営業時間の登録:正確な営業時間を登録し、祝日や臨時休業なども随時更新する。
  • 写真の追加:店舗の外観、内観、商品、スタッフなどの写真を豊富に掲載する。魅力的な写真はユーザーの関心を引きつける。
  • ビジネスの説明文:自社の特徴や強みを分かりやすく記述する。キーワードも自然に盛り込む。
  • 商品やサービスの登録:提供している商品やサービスを具体的に登録する。
  • 投稿機能の活用:最新情報、キャンペーン、イベントなどを定期的に投稿する。ユーザーへのアピールと情報の鮮度維持につながる。

口コミ(レビュー)の獲得と管理

Googleビジネスプロフィールにおける「口コミ」は、ユーザーがお店を選ぶ際の重要な判断材料であり、ローカル検索の順位にも影響を与えると言われています。

  • 良質な口コミの獲得促進:満足度の高い顧客に対して、口コミ投稿を丁寧にお願いする。ただし、見返りを提供して口コミを依頼することはGoogleのガイドライン違反となるため注意が必要。
  • 口コミへの丁寧な返信:良い口コミだけでなく、ネガティブな口コミに対しても、誠実かつ丁寧に対応する。真摯な対応は他のユーザーからの信頼にもつながる。
  • 定期的な口コミのチェック:新しい口コミに迅速に対応できるように、定期的に管理画面を確認する。

サイテーションの整備

サイテーションとは、他のウェブサイトやディレクトリ(ポータルサイト、地域情報サイトなど)上で、自社のビジネス情報(店名、住所、電話番号など)が言及されることを指します。

  • NAP情報の一貫性:Googleビジネスプロフィールと同様に、他のサイトに掲載される情報も正確かつ統一されていることが重要。情報の不一致は検索エンジンの混乱を招く可能性がある。
  • 関連性の高いサイトへの掲載:地域のポータルサイトや業界専門のディレクトリなど、自社のビジネスと関連性の高いサイトに情報を掲載してもらう。

Googleビジネスプロフィールの情報を充実させ、良い口コミを集め、サイテーションを整備することで、地域での認知度と信頼性が高まり、ローカル検索での上位表示につながっていきます。

継続的な改善のために:「効果測定と分析」

SEO対策は、一度実施したら終わりではありません。市場や検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しており、実施した施策がどのような効果をもたらしているかを定期的に測定・分析し、改善を続けていくことが不可欠です。

Googleアナリティクスでサイト全体の動きを把握する

Googleアナリティクスは、ホームページへのアクセス状況を詳細に分析できる無料ツールです。SEOの効果測定においても必須のツールと言えます。

  • オーガニック検索からの流入数:検索エンジン経由でどれくらいのユーザーが訪れているかを確認。
  • 流入キーワード:どのようなキーワードで検索してサイトにたどり着いたか(一部制限あり)。
  • ランディングページ:ユーザーが最初にアクセスしたページ。どのページが検索流入の入口になっているか。
  • ユーザーの行動:サイト内での滞在時間、閲覧ページ数、直帰率(1ページだけ見て離脱した割合)などを分析し、コンテンツやサイト構造の改善点を探る。
  • コンバージョン測定:問い合わせ、資料請求、購入など、サイトの目標達成状況を計測する。

これらのデータを定期的に確認し、SEO施策がウェブサイト全体のパフォーマンスにどのように貢献しているかを把握しましょう。

Googleサーチコンソールで検索パフォーマンスを分析する

Googleサーチコンソールは、Google検索における自社サイトのパフォーマンスを監視し、管理するための無料ツールです。SEO担当者にとっては、アナリティクスと並んで欠かせないツールです。

  • 検索パフォーマンス:どのようなキーワードで検索結果に表示されたか(表示回数)、クリックされたか(クリック数)、平均掲載順位、クリック率(CTR)などを確認できる。キーワード選定やコンテンツ改善の重要なヒントが得られる。
  • インデックス状況:サイト内のページがGoogleに正しく認識(インデックス)されているかを確認。インデックスされていないページがあれば、その原因を調査・修正する。
  • モバイルユーザビリティ:モバイルフレンドリーに関する問題がないかを確認。
  • 被リンク状況:どのようなサイトからリンクされているかを確認。
  • サイトマップの送信:サイトの構造をGoogleに伝えるためのサイトマップを送信する。

サーチコンソールのデータは、SEO施策の具体的な効果や、技術的な問題点を把握する上で非常に役立ちます。

PDCAサイクルを回す

効果測定と分析で得られたデータをもとに、改善策を実行し、その結果をまた測定・分析するという「PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)」を回していくことが、SEO対策を成功させるための鍵となります。

  • Plan(計画):データ分析に基づき、改善目標と具体的な施策を計画する。
  • Do(実行):計画した施策(コンテンツのリライト、内部対策の修正など)を実行する。
  • Check(評価):実行した施策の効果を、アナリティクスやサーチコンソールで測定・評価する。
  • Action(改善):評価結果に基づき、さらなる改善策を検討し、次の計画につなげる。

このサイクルを継続的に回すことで、ホームページは着実に改善され、SEO効果も高まっていくでしょう。

SEO対策は長期的な視点で取り組む「資産形成」

ここまで、中小企業が取り組むべき基本的なホームページのSEO対策について解説してきました。キーワード選定から始まり、コンテンツ作成、内部対策、外部対策、ローカルSEO、そして効果測定と改善まで、やるべきことは多岐にわたります。

もしかしたら、「思ったよりもやることが多くて大変そうだ」と感じられたかもしれません。確かに、SEO対策はすぐに結果が出る魔法の杖ではありません。成果が出るまでには時間がかかり、継続的な努力が必要となります。

しかし、地道に基本的な対策を積み重ねていくことで、ホームページは単なる「情報の置き場所」から、持続的に見込み顧客を集めてくれる強力な「集客資産」へと成長していきます。広告のように費用をかけ続けなくても、検索エンジン経由での安定したアクセスが見込めるようになるのです。これは、特にリソースが限られている中小企業にとって、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

まずは、この記事でご紹介した基本的な対策の中から、自社で取り組みやすいものから始めてみてください。最初から完璧を目指す必要はありません。大切なのは、「ユーザー(=未来のお客様)にとって価値ある情報を提供する」という本質を忘れずに、試行錯誤しながら改善を続けていくことです。

もし、自社だけで進めるのが難しいと感じる場合や、より専門的なアドバイスが必要な場合は、SEOに詳しい制作会社やコンサルタントに相談することも有効な選択肢です。専門家の知見を借りることで、より効率的に、かつ効果的にSEO対策を進めることができるでしょう。

この記事が、皆様のホームページ活用、そしてビジネスの成長の一助となれば、これほどうれしいことはありません。


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