魂を描けない自分

私は、デザインを学んでいた学生時代、デッサンやレイアウトなどの授業で、さまざまな先生からさまざまな教えを受けた。その中で、最も印象に残っているのは、デッサンの授業で受けた「魂を描け」という教えである。

当時、私はデッサン力を磨くことに必死だった。しかし、先生の「魂を描け」という教えには、何をどうすればよいのか、さっぱりわからなかった。

先生は、デッサンの技術を磨けば、自然と魂が宿ると言った。しかし、いくら技術を磨いても、魂が宿るかどうかは、私にはわからなかった。

私は、この「魂を描け」という教えに疑問を抱きながら、デッサンの勉強を続けた。

数十年たった今でもわからない

デザインの仕事をするようになってからも、この教えの意味はわからずじまいだ。

魂が宿る絵を描くためには、対象物だけでなく、目には見えないスピリチャルな何かや生命力のようなものを感知して描けという意味なのだろうか…。

例えば、流木のデッサンをするときには、流木の形や質感だけでなく、木の内部にあるうねりや流木がどのようにして生まれたのか、どのような環境で育ち、歴史を刻んできたのか、といったことを想像しながら描くのだろうか…。

デッサンの対象物だけでなく、その背後にあるものを描くためには、精神的な想い、生命力、透視能力、洞察力、想像力、空想、創造力、感性、センス、が求められるのだろうか。

魂が宿る絵を描ける人には、次元を超えた感受性や超能力でもあるのだろうか。