文章構造化による認識

文字や図版類の構成を通じて何かを伝達する際に、最も重要な要素のひとつとして「文章構造」をかかげたい。

文章構造の全体論は専門家にまかせ、ここでは、文章の階層構造にフォーカスしたいと思います。テーマ、章、節、項、条、段落、大・中・小の各見出し、本文、箇条書き、フォトキャプション、脚注・脚註、など、水が低きに流れるが如く、大枠から詳細へと進むべく自然の流れがあります。

また、キービジュアルは、ひと目でなんの話題を取り上げている記事なのかを直感的にわからせる役目があります。同様に大見出しは、中見出しや小見出し、そして本文に視線や意識を向かわせ、連携して大枠から詳細へいざなう役目があります。

こうしたコンテンツの大きな流れをより理解しやすくするためには、

  • 段落は、60〜180文字前後の文字量
  • 1文=60文字前後
  • 1行に表示する文字数は30〜40文字前後
  • 大見出しは、〇〇書体、文字サイズ、文字の太さ、文字の色

などをコンテンツ全体(1冊の本、1つのサイト、など)を通してデザイン要素の特徴を共通化させモジュール化させる必要性があります。

文章の階層構造を視覚化

各要素の重要度、下層につなげるための役目、要素別に応じた文章量や内容の密度、などの特長と役目から、コンテンツ全体や一つひとつの記事に対する理解の度合いをより高めることができるはずです。

グリッドシステムでは、読者に文章の階層構造を視覚的、感覚的に理解させるために前段の各要素を定位置に配置し、反復パターンを出来る限り短い時間で読者に認識してもらえるレイアウトの構成が最重要課題となります。

各要素を定位置に配置するには、配置すべきエリアが、それぞれの特長を表すための一定基準内の仕様に収められている必要があるからです。

例えば、本文の幅がページごとに異なっていたり、大見出し同士の大きさがバラバラだったら、文章の階層構造を認識するには、ほど遠い状態といえるでしょう。

心理学の世界では、人が短期的に記憶できる項目は、7つ前後との通説があります。この短期記憶(Short-Term Memory)の性質をとらえるならば、デザイン要素の特長も7項目前後以内にとどめることでコンテンツ全体の流れをより直感的に理解しやすい構造・階層化をつくりだせるのではないでしょうか。

シンプルが一番です。